この記事にある24の質問。すべて、かつての私が深夜にスマホで検索したものです。
「不登校 いつ終わる」「高校受験 間に合う?」——真っ暗な部屋で、同じ画面を見ているあなたへ。不登校の息子を持つ経験者が、本音で答えます。
はじめに|不登校の親が抱える「聞きたいけど聞けない」疑問に答えます
不登校の子を持つ親は、誰にも聞けない疑問をたくさん抱えています。学校の先生に聞いても一般論しか返ってこない。ネットで調べても情報が多すぎて混乱する。
この記事では、不登校の息子を持つ母親として実際に悩み、調べ、経験してきた立場から、よくある質問24個に本音で回答します。
【不登校の心の問題】Q1〜Q5
Q1. 不登校は親のせいですか?
A. 違います。不登校は複合的な要因で起こります。家庭環境が一因になることはありますが、「親のせい」と自分を責める必要はありません。私も「自分の育て方が悪かった」と何度も声にならない声を出しましたが、それは違いました。
ただ、親の関わり方で状況を改善することはできます。自分を責めるエネルギーを、子どもの環境を整えることに使ってください。
私の場合——『自分のせいだ』と責め続けた夜がずいぶん長く続いて、責めても息子は戻ってこなかった、というのが結論でした。
Q2. 無理にでも学校に行かせるべきですか?
A. 無理に行かせるのは逆効果です。「引きずってでも学校に連れて行け」という時代は終わりました。無理な登校刺激は子どもの心をさらに追い詰め、回復を遅らせます。
息子も一度、無理に連れて行った日にパニックを起こし、それ以降さらに殻に閉じこもりました。「行きたくなったら行こう」と伝えてから、少しずつ心が回復し始めました。
Q3. いつまで待てばいいのですか?
A. 明確な期限はありません。ただ、「待つ」=「何もしない」ではありません。心の回復を待ちながら、同時に学習環境を整えたり、支援制度を調べたり、親にできることはたくさんあります。
「いつまで待てばいいの?」と、私も毎日のように自問していました。先が見えない不安は本当に苦しいものです。
息子の場合、約半年で「少し勉強してみようかな」と言い出しました。でも、これは個人差が大きいです。うちより早い子も、うちより時間がかかる子もいる、というのが正直なところです。
Q4. 子どもがゲームばかりしていて不安です
A. ゲームは「心の回復ツール」かもしれません。不登校の初期、子どもは大きなストレスを抱えています。ゲームは現実のつらさから一時的に逃れる手段として機能していることが多いです。
我が家もそうでした。1日中ゲームをしている息子を見て、「このままで大丈夫なのか」と何度も不安になりました。取り上げたい衝動を抑えるのも辛かったです。
でも、取り上げるのではなく、まずは心が安定するのを待つ。その上で、「ゲームの時間を少し減らして、勉強も試してみない?」と提案する順序が大切です。
Q5. 子どもが「死にたい」と言ったらどうすればいいですか?
A. すぐに専門家に相談してください。「大げさに言っているだけ」と軽視しないでください。まず子どもの話を否定せず聞き、スクールカウンセラー、児童精神科、いのちの電話(0570-783-556)に連絡してください。
偉そうに書いていますが、実際には私自身がこれをできなかった側の人間です。
息子も「もう死にたい」と言ったことがありました。でも当時の私は、脅し文句として言っているだけだろうと受け流してしまったのです。しばらくして、息子が友達へのLINEでも「死にたい」と連続で送っていることを知りました。
さすがに焦りました。精神科と小児科の友人に慌てて相談し、息子の普段の様子——電話では友達と笑っていること、食事はとれていることなどを詳細に伝えました。友人たちの判断は「今すぐ受診というより様子見でいい」というものでしたが、「1人で長時間出かけていないか」「部屋から物音がしない時間が長くないか」といった異変のサインには慎重に目を配るよう言われました。
今なら「なんで死にたいの?」と息子の気持ちに耳を傾けることもできたと思います。でも当時の私は、退学、転校、不登校と立て続けに起こる問題に追われて、息子の言葉を冷静に受け止める余裕がなかったのです。
「死にたい」は子どもからのSOSです。私の場合——『脅し文句』として受け流してしまった自分を、今でも恥ずかしく思います。見逃してはいけないサインだったと、あとから知りました。もっと話を聞いてあげるべきだったと、今でも反省しています。親だけで抱え込む問題ではありません。
【勉強の問題】Q6〜Q10
Q6. 勉強の遅れは取り戻せますか?
A. 1年あれば、かなりのところまでは取り戻せるはずです。
息子は中学1年生の1学期からほぼ授業を受けていなかったので、中学3年生で進研ゼミを始めた時点では約2年分の空白がありました。英語はbe動詞から、数学は正負の数から。正直、「こんな状態で高校受験に間に合うのだろうか」と不安でいっぱいでした。
ただ、進研ゼミのAIが苦手な範囲を自動で分析して繰り返し出題してくれたおかげで、少しずつ穴が埋まっていきました。最初の数ヶ月は基礎固めに費やし、半年を過ぎた頃から過去問に取り組めるレベルになり、約1年後に高校に合格しました。
もちろん、お子さんの状況によって必要な時間は変わります。でも「もう手遅れだ」と諦める必要はありません。基礎まで戻ってやり直せる仕組みさえあれば、道は開けると実感しています。
私の場合——be動詞と正負の数から始めた中学3年生の4月は、正直『こんなの間に合うの』と毎日思っていました。それでも毎日少しずつ進めば、1年後には過去問が解けるようになる。進まない日も途中で何回かあったけれど、それでも合計で見れば進んでいた、というだけのことです。
Q7. 塾に行けない場合、どう勉強させればいいですか?
A. 塾以外にも選択肢はあります。我が家は自宅学習にたどり着きました。
息子も集団塾の入塾テストを受けましたが、全て不合格でした(その経緯はこちら)。塾にも通えない、でも受験は迫っている。あの頃は本当に途方に暮れていました。
同じ状況の方に向けて、塾以外の選択肢を整理してみます。
参考書で独学:自分で計画を立てて進められる子に向いています。ただし、不登校で長期間勉強から離れている場合、どこから手をつければいいか分からず挫折しやすいのが現実です。
家庭教師:先生と1対1の関係が築ける子には効果的です。ただ、費用が高め(1時間8,000円前後)で、決まった時間に来てもらう形式のため、体調に波がある子はキャンセルが続いてしまうリスクがあります。
オンライン家庭教師:通う負担がないぶん家庭教師よりハードルは低いですが、費用は対面とあまり変わりません。画面越しでも人と話すこと自体が苦手な子には向かない場合もあります。
タブレット教材:時間も場所も自由で、費用も月数千円。AIが苦手分野を分析して個別に出題してくれるので、遅れた範囲の穴埋めに強いのが特徴です。「自分のペースでやりたい」「人に教わるのが嫌」という子には特に合っています。
我が家はすべて検討した結果、家庭学習が最も合っていました。起立性調節障害で生活リズムが不安定だったこと、知らない大人と話すのを嫌がったこと、そしてシングルマザーの家計を考えると、消去法でも自宅学習が最有力でした。たどり着くまでにずいぶんかかったけれど、早く出会えていたらなぁ、と思います。
Q8. 「勉強しろ」と言ってもいいですか?
A. やめたほうがいいです。「勉強しろ」は親の不安の表れですが、子どもにとってはプレッシャーでしかありません。
私も何度言ったか分かりません。言うたびに息子の顔が曇り、部屋のドアが閉まる音だけが返ってきました。言えば言うほど逆効果だと頭では分かっていても、黙っているのが怖かったのです。結局、口出しをやめて環境を整えることに集中してから、息子は自分から動き出しました。
私の場合——『勉強しろ』を言うのをやめる練習に、ずいぶん長い時間かかりました。今でも完全にはやめきれていない、というのが正直なところです。口出しをやめるのは、口出しをするより難しい母業だと、その時に知りました。
Q9. 通信講座と塾、どちらがいいですか?
A. 不登校の子には自宅学習がおすすめです。塾は「決まった時間に通う」ことが前提なので、体調に波がある子や外出が難しい子には合いません。まず通信講座で学習習慣を作り、余裕が出てきたら塾を検討するのが良いです。
息子はいつも私のお金の心配をしてくれています。外食も安い店を探し、欲しいものはネットで最安値を調べてから買おうとします
だからこそ、月数千円で質の高い学習ができる自宅学習は、親にとっても子どもにとっても安心できる選択肢でした。
もうひとつ、ADHDの特性がある子にも自宅学習は合っていると感じています。塾の集団授業では周囲の音や動きに注意が散ってしまい、内容が頭に入らないことがあります。息子もまさにそのタイプでした。タブレット教材なら自宅の静かな環境で、気が散ったら一時停止して、集中できる時に再開できます。1回の学習時間も短く区切れるので、集中が続きにくい子でも「できた」という手応えを積み重ねやすいのです。
私の場合——塾の体験授業で集中できなかった息子が、家のタブレットなら自分のペースで続けられた日のことが、選択の決め手になりました。
Q10. 起立性調節障害でも勉強できますか?
A. できます。ただし「午後から」が基本です。午前中は体調が悪いことが多いので、午後に勉強時間を設定するのが現実的です。
息子も朝はまったく起き上がれず、午後になってようやく動ける状態でした。「午前中は勉強できない=勉強時間が足りない」と焦りましたが、タブレット教材なら午後や夜に自分のタイミングで取り組めるので、起立性調節障害との両立ができました。
私の場合——午後からの学習時間を『2時から夕食まで』と固定することで、息子も予定が立てやすくなったようでした。
【高校受験の問題】Q11〜Q15
Q11. 不登校でも高校受験できますか?
A. できます。全日制・通信制・定時制、すべて受験可能です。内申点がない場合は、当日の試験で挽回できる学校を選ぶのがポイントです。
「不登校で受験なんてできるの?」と、私も最初は半信半疑でした。私の場合——夜中にスマホで『不登校 高校受験 無理』と打ち込んでいた頃の自分が、今の私を知ったら、たぶん信じないと思います。でも調べてみると選択肢は思っていたよりずっと多かったです。息子も内申点がほぼない状態から、全日制高校に合格しています。
Q12. 内申点がほぼゼロですが、受かる高校はありますか?
A. あります。内申点を重視しない高校、不登校枠を設けている高校、通信制高校などが選択肢になります。都道府県によって仕組みが異なるので、教育委員会に相談してください。
息子も出席日数が足りず内申点はほぼゼロに近い状態でした。「受かる学校なんてあるのか」と絶望しかけましたが、当日の筆記試験の配点が高い学校を探すことで道が開けました。
Q13. 通信制高校と全日制高校、どちらがいいですか?
A. 子どもの状態によります。毎日通学できるなら全日制、まだ難しいなら通信制。どちらも高卒資格は同じです。
我が家も最後までどちらにするか迷いました。万が一に備えて通信制(N高)の枠を確保しつつ、全日制にチャレンジするという形を取りました。
私が実際に枠を確保したN高は、中学3年生の秋(10月頃)に募集が始まります。その時点で枠を押さえておいて、最終的に通うかどうかは公立高校の試験が終わった3月に決めればいいのです。万が一、希望している私立高校・公立高校に落ちてしまっても居場所が確保されている——これは精神的にとても心強かったです。「息子の居場所がなくなるのでは」と不安だった私にとっては特に。「どちらかに決めなきゃ」と追い詰める必要はなく、両方の準備を進めておくと気持ちに余裕が生まれます。
私の場合——N高の枠を押さえた10月から、夜中にカレンダーを見る時の胸の苦しさが少し減りました。『落ちても居場所はある』の安心感は、想像より大きかったです。
Q14. 中学3年生からでも受験に間に合いますか?
A. 間に合います。息子は中学3年生の4月から本格的に始めて合格しました。ただし、自宅学習を利用して効率的に進めることが前提です。一番リスクが高いのは、独学でレベルに合わない参考書を使って勉強することだと思いました。私もその道を一時は選ぼうとしていたので、今思うとすごく危なかったと感じています。レベルに合わない教材で「やっぱりできない」という経験を重ねてしまったら、息子の自信はさらに削られていたはずです。
中学3年生の春、「もう手遅れかもしれない」と本気で思っていました。でも進研ゼミで基礎に戻ってやり直したことで、約1年で合格できました。遅すぎるということはありません。今は基本的に学校に通えるようになって、たまにぽつぽつ休む日もある、くらいの高校生活を送っています。
Q15. 受験当日に体調が悪くなったらどうなりますか?
A. 事前に学校に相談すれば別室受験が可能な場合があります。起立性調節障害の診断書を提出しておくと安心です。追試験制度がある都道府県もあります。
受験当日の体調は、親にとって一番のハラハラポイントでした。「あれだけ頑張ったのに当日体調を崩したら…」という不安は最後まで消えませんでした。事前に学校へ相談しておくだけで、心の保険になります。
私の場合——当日朝に電話するより、前もって相談しておく方が、こちらの声の震え方が違いました。
【生活の問題】Q16〜Q20
Q16. 昼夜逆転を直すべきですか?
A. 無理に直す必要はありません。起立性調節障害の場合、夜型になるのは病気の症状です。まずは「夜型のまま勉強できる環境」を整え、体調の改善とともに徐々にリズムを整えるのが現実的です。
息子も完全に昼夜逆転していた時期がありました。深夜2時まで起きて昼過ぎに起きる生活を見て、正直「このままで大丈夫なのか」と不安でした。でも無理に起こそうとすると余計にこじれるので、まずは「起きている時間に勉強できればOK」と割り切ることにしました。割り切るまでにずいぶんかかったのが、正直なところです。
私の場合——無理に起こしてしまった朝に、それ以降しばらく布団の膨らみすら怖くなった時期がありました。割り切るしかなかった、というのが正直なところです。
Q17. 学校とはどう連絡を取ればいいですか?
A. 担任と月1回程度の定期連絡がおすすめです。毎日の欠席連絡が精神的に辛い場合は、「月1回の状況報告」に切り替えてもらうよう相談できます。
今はアプリで出欠を連絡する学校が増えています。息子の学校もそうでした。朝、アプリを開いて「遅刻」か「欠席」を選ぶだけ。文字にすると簡単なことですが、これが毎日となると本当にしんどいのです。
起立性調節障害の息子は、朝の時点では「しんどい」としか分からない。いつ治るのか本人にも分からない。とりあえず「遅刻・昼過ぎに登校」とアプリに入力するのですが、結局お昼を過ぎても体調が戻らず、欠席に変更する電話を入れることになる。それがほぼ毎日続くと、「また遅刻から欠席ですか」と思われていないだろうかと不安で仕方ありませんでした。電話口の先生の声のトーンに過剰に反応してしまう自分もいました。
転校先の公立中学校の担任・吉岡先生(仮名)に正直にその辛さを相談したところ、「毎朝の連絡は不要です。月1回、お母さんの都合がいい時に状況を教えてください」
と言ってもらえました。たったそれだけのことで、朝の重圧から解放されて気持ちがかなり楽になりました。ただし毎朝の出欠連絡はアプリで必要でした。
私の場合——中学3年生の担任には、引き継ぎがどこまでされているか分からなくて、最初すごく不安でした。休み連絡アプリの理由欄に『精神的にお休みの日だと思って欲しい』と毎回必死に書く私の隣で、息子はケロっとしているのが、母業の不思議なところです。もし同じ辛さを抱えている方がいたら、一度担任に相談してみてください。
Q18. 周囲に不登校のことを話すべきですか?
A. 話す相手は慎重に選んだほうがいいです。
隠し事が苦手なタイプだった私は、最初はオープンに息子の不登校のことを話していました。でも、心配しているかのように電話をかけてきて、実際は興味本位だった——という経験が何度もありました。息子は中学1年生の1学期で不登校になったので、中学校で知り合ったばかりのママ友との関係はまだ浅く、本当に心配してくれている人ばかりではないのだと、痛い思いをしながら学びました。
そうした経験を重ねるうちに、信頼できる人にだけ話すように変わっていきました。
一方で、私にとって大きな支えになったのがX(旧Twitter)です。当時の私は疲弊しきっていて、対面のコミュニティに参加する元気はありませんでした。でもXなら、スマホひとつで同じ境遇の人とつながれます。
実際に不登校で苦しんでいる真っ最中の保護者の方、かつて苦しんでいたけれど今はお子さんが元気に過ごしているという保護者の方。そうした方々と活発にやりとりをしていました。「こんなことで悩んでいる…」と書き込めば、知らなかった支援制度を教えてくれたり、「うちもそうだったよ」と励ましてくれたり。Xは不登校の情報を得る上で、本当に助けられた場所でした。
リアルな場での相談が難しいと感じている方は、まずSNSで同じ立場の人とつながることから始めてみてください。私の場合——距離を置いていた間も、心配してくれていた人がいたのだと、後から知った経験もあります。幼稚園時代のママ友から久しぶりにLINEが届いた夜は、『連絡できなくてごめん』の一言で目の奥が熱くなりました。「1人じゃない」と思えるだけで、気持ちはずいぶん楽になります。
Q19. 兄弟姉妹への影響はありますか?
A. あると思います。息子は一人っ子なので直接の経験はありませんが、同じく不登校のお子さんを持つ知人から聞いた話がとても印象に残っています。
その家庭では、不登校のお兄ちゃんを見て妹さんが「なんでお兄ちゃんだけ学校に行かなくていいの?」と羨ましがるようになったそうです。さらに辛かったのは、妹さんが友達の家に遊びに行った時に「お兄ちゃん、まだ学校休んでるの?」と聞かれたこと。妹さん自身が、兄の不登校を周囲から指摘される立場に置かれてしまったのです。それだけでなく、友達の母親からも「お兄ちゃんまだ学校休んでるの?」と聞かれたことがあったそうです。子ども同士の会話ならまだしも、大人からそう言われる妹さんの気持ちを想像すると胸が痛みます。「不登校の子の妹」というレッテルを貼られてしまう可能性は、十分に考えられるのです。
親の注意がどうしても不登校の子に集中してしまうなか、兄弟姉妹は自分の気持ちを飲み込んでいることがあります。兄弟姉妹にも個別に時間を作って、気持ちを聞いてあげることが大切だと、その知人の話を聞いて強く感じました。
また、影響は兄弟姉妹だけにとどまりません。私の母(息子の祖母)が、親戚の子どもたちに「学校に行っていない話はしないように」と口止めしていたことがありました。「学校に行かなくてもいいんだ」と思われることへの心配と、不登校を周囲に知られたくないという気持ちがあったようです。大切なのは、不登校の子にも行っている子にも、それぞれの事情や気持ちがあることを丁寧に伝えることではないでしょうか。
Q19-2. きょうだいに「なんであの子だけ勉強しなくていいの?」と言われたら?
A. まず、その気持ちを「そうだよね」と受け止めてあげてください。息子は一人っ子なので我が家では経験していませんが、ママ友から同じ相談を何度も受けてきました。きょうだいの「ずるい」は、サボりたいのではなく「自分のことも見てほしい」という気持ちの裏返しです。突き放さず、まず気持ちを認めること。そのうえで年齢に合わせた言葉で事情を伝えること。この2つが大切だと感じています。
詳しい対応方法やママ友たちの具体的な工夫は、別の記事にまとめています。
Q20. いつか「不登校でよかった」と思える日は来ますか?
A. 来ます。少なくとも我が家は。
息子は今、高校に通いながらこう言います。「中学の時は学校に行けなくて辛かった。勉強もママは心配してたと思うけど、今ちゃんと自分で勉強できるようになれたでしょ」と、少し得意げに話してきます。
息子の場合、自分に合った勉強法——進研ゼミに出会えたことが大きかったように思います。不登校は「終わり」ではなく「回り道」です。回り道の途中で、一度も諦めないでくれた息子に、今は感謝しています。
Q20-2. シングルマザーで経済的に厳しいです。教育費の支援制度はありますか?
A. あります。まず確認してほしいのが「就学援助制度」です。市区町村に申請すれば、給食費や学用品費などの補助が受けられます。我が家もこの制度のおかげで給食費の負担がぐっと軽くなり、本当に助かりました。
私の場合——半額シールの惣菜を朝昼兼用にしていた時期に、この制度を知って心底ホッとしました。自分のクイックカットは1,600円、息子の矯正には迷わず出す、というシングル家庭のお金の組み替えが少しだけ楽になりました。
フリースクールも検討しましたが、費用の壁がありました(支援制度についてはこちら)。
シングル家庭だからと息子に不自由な思いをさせたくない一心で自分を追い込んでいましたが、月数千円のタブレット教材で質の高い学びができると知った時は心底ホッとしました。高額な塾やフリースクールだけが選択肢ではありません。
(就学援助・高校無償化・奨学金まとめはこちら)
【発達特性・家庭の価値観の問題】Q21〜Q24
Q21. ADHDの子に合う学習法はありますか?
A. あります。ポイントは「短時間」と「即フィードバック」です。ADHDの特性がある子は、長時間じっと座って勉強するのが苦手です。でも、興味を持てば驚くほどの集中力(過集中)を発揮することもあります。
我が家の息子はADHDグレーゾーンですが、タブレット学習との相性が抜群でした。正解・不正解がすぐ分かり、画面がテンポよく切り替わるので飽きにくい。紙の問題集は5分で放り出すのに、タブレットだと30分以上続けられることもありました。タブレット教材の中でも、ゲーム的な要素のある教材を選ぶのがコツです。
Q22. 発達障害(ADHD等)の診断はどこで受けられますか?
A. 児童精神科や発達外来で受けられます。まずはかかりつけの小児科に相談し、紹介状を書いてもらうのがスムーズです。自治体の発達支援センターでも相談を受け付けています。
注意点として、予約から初診まで数ヶ月待ちということも珍しくありません。「もしかして」と思ったら、早めに予約だけでも入れておくことをお勧めします。診断がつかなくても、専門家に子どもの特性を相談できるだけで、親の対応が変わります。
息子の場合、正式な「診断」はつきませんでしたが、ADHD不注意型の傾向があると言われました。いわゆるグレーゾーンです。私の場合——『グレーゾーン』という言葉を聞いた夜、それまでの自分の叱り方を全部思い出して、一人で泣きました。診断がつかなくても、肩の荷が下りる日はあります。それを知れただけで、「怠けじゃなかったんだ」と肩の荷が下りました。
Q23. 不登校の子にADHDの特性がある場合、どう接すればいいですか?
A. まず「できないこと」を責めないでください。忘れ物が多い、片付けられない、衝動的に動く——これらはADHDの脳の特性であり、叱って直るものではありません。
私自身、ADHDという特性に対して悪い印象は持っていません。むしろ、やりたいことに対して爆発的なエネルギーを発揮できる個性だと捉えています。息子が料理や音楽に没頭する姿を見ると、その集中力は本当にすごいものがあります。
ただ正直に言えば、この特性のせいで集団の場に馴染めず、生きづらさを感じていないかという心配はあります。だからこそ、家庭だけは安全基地でありたい。「あなたはそのままでいい」と伝え続けることが、親にできる一番のサポートだと思っています。
Q24. 医者や弁護士にさせたかったのに不登校になりました。この気持ちをどう整理すればいいですか?
A. 痛いほど分かります。なぜなら私がまさにそうだったから。
親族がほぼ全員医師という環境で育った私は、「息子も医師に」と当然のように考えていました。中学受験も、その延長線上のことでした。だから不登校になった時、学業の遅れ以上に「このレールから外れた」という恐怖が大きかったんです。
でも不登校という長いトンネルを抜けて、今はっきり言えることがあります。偏差値の高い学校を出て、立派な肩書きの職業に就くことが「幸せ」とは限らないということ。息子が自分で選んだ道を歩き、食卓で笑顔で「今日こんなことがあったよ」と話してくれる。その日常の中にこそ、本当の幸せがありました。
私の場合——朝の台所から息子の『おはよう』が当たり前に聞こえてくる日常を、『幸せ』と呼べるようになりました。あの頃の私に、この普通を見せてあげたいです。
お子さんの将来を心配する気持ちは親として当然です。でも、「どんな職業に就くか」より「どんな大人になるか」のほうがずっと大事だと、不登校が教えてくれました。
不登校の親の体験談をいくつも読んでいると、「何をやっても正解かどうかわからなかった」という声に何度も出会いました。私もそうで、口出しをやめたら息子は変わり始めたけど、スマホを取り上げた時は家出された。同じ「親として何かする」でも、結果が真逆になる。この24の質問に答えながら改めて思ったのは、正解は最初からなかったんだなぁということ。でも「うちだけじゃない」と知れることが、少しだけ楽にしてくれるのかもしれません。
まとめ|不登校の中学生を持つ親へ——一人で悩まないでください
24の質問に共通するのは、「答えは一つではない」ということ。お子さんの状況によって最適解は変わります。
でも、「一人で悩まなくていい」ということだけは確かです。相談できる場所、使える制度、子どもに合った学習法——探せば必ず見つかります。
この記事が、少しでもあなたの不安を軽くする一助になれば幸いです。
みっこの本音——24個の質問に答えてみて
24個の質問に答えながら、自分が深夜にスマホで打ち込んだ検索バーのことを何度も思い出しました。
あの頃の私に、今の私が答えを手渡しできるなら、一番伝えたいのはこれです。「抱えないでね」。ただそれだけ。
抱えない、は頭で分かっても、やるのが難しい母業の技でした。ずいぶん長い時間かけて少しずつ。正直、完全にできるようになったとは今も思っていません。でも、できるようになる前の自分のことも、今は責めないでいます。
- はじめに
- 【不登校の心の問題】Q1〜Q5
- 【勉強の問題】Q6〜Q10
- 【高校受験の問題】Q11〜Q15
- 【生活の問題】Q16〜Q20
- 【発達特性・家庭の価値観の問題】Q21〜Q24
- まとめ


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