起立性調節障害の息子が高校受験を迎えた時、私が一番悩んだのは「どんな高校なら、この子が通い続けられるのか」ということでした。

全日制、通信制、定時制。選択肢はたくさんあるのに、起立性調節障害の子に合う学校の選び方はどこにも書いていない。病院の先生に聞いても「お子さんの体調次第ですね」としか言われない。
この記事では、実際にN高の説明会・体験会に足を運び、最終的に全日制の私立高校を選んだ私たち親子の体験をもとに、起立性調節障害の子の高校選びで大切なことをお伝えします。
起立性調節障害の子が高校を選ぶ時に考えるべき3つのポイント
ポイント1:午前中の授業に出られるか
起立性調節障害の子にとって、最大の壁は朝です。息子も中学時代は午前中ほぼ起き上がれず、授業を受けられたのは午後からでした。
高校選びでまず確認したのは1時間目の開始時間と、遅刻・欠席のルール。学校によっては午前中の欠席が多いと単位が取れなくなります。説明会では必ず「体調不良で午前中に来られない日が続いた場合、どのようなフォローがあるか」を質問しました。
ポイント2:通学の負担
起立性の子は体力の消耗が激しいため、通学時間と手段も重要です。息子は電車で30分以上揺られると体調が悪化することがあったので、自宅からの距離と乗り換え回数を必ずチェックしました。
毎日通学する全日制と、月に数回のスクーリングで済む通信制では、体への負担がまるで違います。
ポイント3:入試方式(午後入試・別室受験の有無)
起立性調節障害の子は午前中に本来の力を発揮できません。息子の場合、受験当日のことを考えて午後入試がある学校を優先的にリストアップしました。
病院の先生からも「別室受験の申請ができる学校もあるから、事前に問い合わせたほうがいい」とアドバイスをもらっていました。実際に問い合わせた学校の中には、体調に応じて休憩時間を設けてくれるところもありました。
全日制・通信制・定時制、それぞれの特徴と起立性調節障害との相性
全日制高校
メリット:友達と毎日顔を合わせる環境がある。部活や学校行事を通じて青春を経験できる。大学受験の指導体制が整っている学校が多い。
起立性の子が注意すべき点:毎朝の通学が必須。欠席日数が多いと単位取得が難しくなる。学校によっては午前中の欠席に厳しい。
息子は「前の学校の友達みたいに、毎日一緒に過ごせる友達がほしい」という思いが強く、最初から全日制を希望していました。中学で不登校を経験した息子にとって、友達との日常がどれだけ大切かは痛いほど分かっていたので、私もその気持ちを尊重しました。
通信制高校
メリット:自分のペースで学べる。体調が悪い日は無理しなくていい。スクーリングの頻度は学校によって週1〜月1まで幅がある。
起立性の子が注意すべき点:自己管理が求められる。孤独を感じやすい環境になることもある。
中学2年生の冬、私はN高(ネットの高校として知られる通信制高校)の説明会に行きました。息子には内緒で、万が一に備えて通信制という選択肢を調べておきたかったからです。説明会で感じたのは、通信制=「普通の高校に行けなかった子の受け皿」ではないということ。やりたいことが明確な子や、自分のペースで深く学びたい子が積極的に選んでいる印象でした。
中学2年生の春休み(3月)には息子も連れて体験会に参加。息子は「ここも悪くないけど、やっぱり毎日友達と会いたい」と全日制への思いを改めて口にしました。
結果的に、中学3年生の10月にN高の入学面談を受けて枠を確保し、全日制が不合格だった場合のバックアップとして準備しました。この「もし全日制がダメでも大丈夫」という安心感が、息子の受験期の精神的な支えになっていたと思います。
定時制高校
メリット:午後〜夜間の授業が中心の学校が多い。起立性の子にとって時間帯の相性が良い。全日制に近い学校生活を送れる。
起立性の子が注意すべき点:帰宅が遅くなるため生活リズムが乱れる可能性がある。3年で卒業できない場合もある。
定時制も検討しましたが、夜遅くの帰宅が起立性の症状(朝起きられない→さらに遅くなる悪循環)を悪化させるリスクがあり、病院の先生と相談して候補から外しました。
私が通信制高校を調べた時に作ったチェックリスト
説明会やネットで情報を集める中で、私は比較用のチェックリストを作りました。起立性調節障害の子を持つ親御さんの参考になれば嬉しいです。
- 通学かオンラインか(選択できるか)
- スクーリングの頻度・場所・日数
- 宿泊スクーリングの有無(体調不良で行けない場合の救済措置)
- 1日の授業時間と開始時間
- 欠席時のフォロー体制
- 登校できなくなった時のコース変更の可否
- 卒業率と進学実績
- 入学試験の内容(学力テストか面談か)
- 担任制かどうか(相談できる大人がいるか)
特に起立性の子は「行けない日が続いた時にどうなるか」を事前に確認することが大切です。せっかく入学しても体調悪化で通えなくなるケースはありえるので、その時のフォロー体制が手厚い学校を選ぶべきだと思います。
我が家が最終的に全日制を選んだ理由
最終的に息子が進学したのは、全日制の私立高校です。
選んだ理由はシンプルでした。
- 息子自身が「毎日友達に会いたい」と強く希望した
- 中学時代の不登校経験から、無理のないレベルの学校を選んだ
- 病院で睡眠の質を改善する薬をもらい、朝起きられる日が増えていた
- N高の枠を確保していたので「ダメだったら通信制がある」と思える余裕があった
難関校を目指すのではなく、息子の今の状態に合ったレベルの学校を選んだことが正解でした。前に通っていた私立中学校とは違い、提出物も出せるようになり、今のところ問題なく通えています。
私の場合——N高の枠を確保した10月から、夜中にカレンダーを見る時の胸の苦しさが少しだけ減りました。「全日制がダメでも大丈夫」と思えることが、こんなに安心感を生むとは思わなかった。
起立性調節障害の子の高校選びで後悔しないために
高校選びで一番大切だったのは、親の理想ではなく、子どもの現状に合わせることでした。
中学受験の時、私は自分の母校のイメージだけで息子に学校を勧めて失敗しました(その時の話はこちら)。だから高校選びでは、息子自身の希望を最優先にしました。
起立性調節障害は「治る」タイミングが読めない病気です。「高校に入れば治るだろう」と楽観せず、体調が悪い時のプランBを用意しておくこと。それが親にできる一番の準備だと思います。
受験勉強については、息子は通信講座を中学3年生の4月から始めて、約1年で合格を勝ち取りました。起立性の子は午後から体調が整うことが多いので、時間を選ばず自分のペースで学べる通信講座は相性が良かったです。
みっこの本音——「保険」があるだけで楽になる
通信制を「滑り止め」と呼ぶのは失礼かもしれないけど、親としては正直そういう気持ちでした。でもN高の説明会に行って、あそこで学んでいる子たちの顔を見て、「ここでも大丈夫」と思えた。保険があるだけで、毎朝の不安が少し軽くなる。受験期の親には、その「少し」がすごく大きいんですよね。
- 起立性調節障害の子の高校選びは「偏差値」より「通い続けられるか」が最優先
- チェック3点:①午前授業の出席ルール ②通学時間・手段 ③入試方式(午後入試/別室受験)
- 全日制/通信制/定時制の相性と落とし穴を本人と比較。N高は万が一の保険として枠確保
- 中学2年生冬に親単独説明会→中学2年生春休み息子連れ体験会→中学3年生・10月入学面談の時系列で検討
- 我が家は全日制私立を選択。本人の「友達と毎日会いたい」を尊重、当日点勝負で合格


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