通信制高校の選び方|N高の説明会に行ったシンママが見たリアル

記事ID:908 通信制高校の選び方N高の説明会で見たリアル アイキャッチ(caseE版) 高校受験の戦略

中学2年生の冬、息子が「高校受験をしたい」と話し始めたのを聞いて、私は万が一のセーフティネットを確保しておきたいと思い、まだ息子には告げずに通信制高校の説明会に足を運びました。

説明会の日、私は息子に「ちょっと買い物に行ってくる」と嘘をついて家を出ました。電車の中で、「全日制がダメだった場合の保険」を探している自分が情けなくて、窓に映る自分の顔を見ないようにしていました。でも同時に、「息子のためにできることは全部やる」という気持ちも確かにあった。矛盾した感情を抱えたまま、説明会の会場に入りました。

通信制高校は選択肢が多く、何を基準に選べばいいか分からない方も多いと思います。この記事では、不登校の息子を持つシングルマザーとして、実際にN高の説明会と体験会に行った体験をお伝えします。

なぜN高を選んだのか|決め手は「通学人数」

息子に黙ってN高の説明会に行ったのは、後ろめたかったです。「お前のために通信制も調べてるよ」なんて言ったら、まだ全日制を目指して頑張っている息子のやる気を折ってしまう気がして。でも万が一のことを考えると、何も準備しないまま不合格を迎えるのはもっとこわかった。だから嘘をついて、1人で説明会に向かいました。

通信制高校はたくさんありますが、私はあまり迷いませんでした。選んだ基準はシンプルです。

息子にとって一番大事なのは、友達との楽しい高校生活。だから「通学コースがあること」「生徒数が多いこと」が最重要でした。

N高を選んだ理由は、近くに通学人数が圧倒的に多い教室があったからです。同じN高でも教室によって人数は大きく違うそうなので、もし人数の少ない教室しか近くになかったら、別の学校を選んでいたと思います。

N高の説明会で感じたこと

説明会に参加して、良いと思った点をまとめます。

  • 通学日数を選べる:週1日・3日・5日から選択可能。息子のペースに合わせられる
  • 最低出席日数は年間8回:あとはレポート提出で単位が取れる
  • 指定校推薦で大学進学も可能:内申点も取りやすい制度設計
  • 最新のテクノロジーを活用:VR機器を使った授業やAI活用など、楽しそうな内容
  • グループワークが多い:友達ができやすい環境
  • 都会の教室だったので、学校帰りに友達と遊びに行きやすい

説明会で、私と同じような表情のお母さんが何人もいました。みんな不安そうで、でも必死に情報を集めている。パンフレットを食い入るように読んでいるお母さん、メモを取る手が止まらないお父さん。ああ、うちだけじゃないんだ、と少しだけ楽になりました。

正直に言うと、N高の説明を聞きながら「ここでもいいかも」と思った自分にびっくりしました。つい数ヶ月前まで、全日制以外は考えられなかったのに。「通信制=全日制に行けなかった子が行くところ」——無意識にそう決めつけていた自分の偏見に、説明会の椅子に座りながら気づいたんです。親も追い詰められると、視野がじわじわ広がるものなんだなと思いました。

全日制で不登校を繰り返すリスクを考えると、通信制のほうが息子には合っているかもしれないと、この時点ではかなりN高に傾いていました。息子がバイトをしたいと言っていたので、週3日コースにすれば学業とバイトの両立もしやすいと思いました。

正直に言うと、私はすっかりN高を気に入っていました。全日制でまた不登校になり、留年して転校することになれば息子はさらに傷つく。それならN高で内申点を取りやすい環境で過ごし、指定校推薦で大学に行く方が現実的ではないか——そう考えていたのです。

息子を連れて体験会に参加した結果

中学2年生の春休み(3月)、息子を連れてN高の体験会に参加しました。体験会ではグループで楽しい作業をするような内容で、「これなら息子も気に入るだろう」と思っていたのですが——

具体的には4〜5人のグループに分かれて、紙20枚・割り箸2本・紙コップ4個で「より高く積み上げたチームが勝ち」というワーク。制限時間はたった3分。子どもたちだけでなく保護者もグループを組んで参加しました。

私も大人げなく本気で取り組みながら、息子の様子をチラチラ確認。笑顔でみんなと相談しながら作業する姿が見えて安心しました。

でも、息子が笑っているのを見て、嬉しいはずなのに複雑でした。「ここが気に入ったら、もう全日制を目指さなくなるんじゃないか」。息子の笑顔を素直に喜べない自分がいました。「ここは保険なんだから、気に入らなくていい」——そんなひどいことを心のどこかで思っていたんです。息子のための学校探しなのに、私は全日制への執着を手放せていなかった。今振り返ると、追い詰められていたのは息子だけじゃなく、私もでした。

そして、ふと体験会の会場全体を見渡した時、胸の奥がぎゅっと締めつけられました。参加している子たちはみんなどこか緊張していて、笑顔も口数も少ない。当然、無理もないんです。「もう一度頑張って前に進みたい」「自分の居場所を見つけたい」――そう思って、勇気を振り絞って今日ここにきた子ばかりなのだから。

そしてその後ろに座る保護者たちを見て、もっと胸が苦しくなりました。今日ここにきた親子はみんな、苦しい数年間を過ごしてきたんだろうな……。子どもが学校に行けなくなった日、布団から出てこなかった朝、相談先を探して夜中までスマホを握りしめた日々――。その全部を抱えて、それでも諦めずに今日この会場まで連れてきたんだ。

近い境遇の人が集まる場所に、私はそれまで一度も行ったことがありませんでした。同じ痛みを知っている人たちが同じ部屋にいる――ただそれだけのことなのに、私の心は感情的になって、気づけば心の中で泣いていました。表情には出さないように必死でこらえながら、「みんな、よく頑張ってここまで来たね」と、知らない親子一人ひとりに声をかけたい気持ちでいっぱいになったのです。

繊細で傷つきやすい子ほど、この社会では生きにくいのかもしれない――そう感じずにはいられませんでした。周りの空気を敏感に感じ取り、他人の痛みにまで心を寄せられる優しい子たち。本来なら大切に守られるべきその繊細さが、今の学校という枠の中ではむしろ「弱さ」として扱われてしまう。会場にいる子たちの伏し目がちな横顔を見ながら、この子たちの優しさが報われる場所が、もっとあちこちにあってほしいと心から願いました。

ただ、グループワークの時間以外はあまり会話が弾んでいない様子。在校生が話しかけてくれるものの、参加した子たちは息子も含めて緊張気味でした。

運が悪かったのか、息子は在校生の年上の女の子2人に挟まれていました。友達付き合いは上手な方ですが、初対面の年上の女性と和気あいあいと話すのはさすがにハードルが高かったようで、気まずそうに目線を泳がせていた。私の前で女の子と楽しそうにしているのを見られたくなかったのかもしれません。

息子は早く帰りたそうでした。

帰りの電車で息子に感想を聞くと、「あの学校は僕には合わん」と一言だけ。私は「そっか」と答えるのが精一杯でした。私は内心「全日制に落ちたらどうするの」と叫びたかった。でも息子が自分で「全日制を受ける」と決めているのに、親がその意志を折るわけにはいかない。N高のパンフレットをカバンの奥にそっとしまい、「この子が決めたことを信じよう」と自分に言い聞かせました。

在校生たちがたくさん話しかけてきたのですが、息子はそれを「営業感がある」と感じたようです。

「営業したいからフレンドリーに話しかけてきてるだけで、実際に通ったら全然違うんでしょ」

——そう言っていました。実際に通えば学年関係なくあだ名で呼び合うような雰囲気だと思いますが、初対面のフレンドリーさが息子には逆効果だったのです。

結局、息子は「全日制の試験に落ちたらここでもいいよ」と言い、第一志望の全日制高校への受験意思は変わりませんでした。

私の場合——N高の体験会に息子を連れて行ったのは、通信制も選択肢に入れておきたかったから。でも息子は体験会の帰りに「やっぱり毎日学校に行きたい」と言った。友達と毎日会える場所がほしかったんだと思います。

全日制を選んだ理由と、今思うこと

ネットの相談掲示板には「通信制高校のことを人に言いたくない」「全日制の不登校の辛さに比べたらありがたいのに、恥ずかしく思ってしまう」という親御さんの声が少なくありません。

正直に言えば、私もN高の説明会に行った時、複雑な気持ちがありました。でも今は「どの学校であっても、子どもが笑顔で通える場所が正解だった」と心から思えます。

今なら、はっきりと思います。通信制高校でも、定時制高校でも、高卒認定でも――道が違うだけ。大人になる道が違う、たったそれだけのことなんだと。「普通」の枠から外れたわけでも、人生のレールから降りたわけでもない。ただ自分に合った道を選んだ、それだけのことなのに、当時の私は何をあんなに恐れていたんだろうと思います。

もしこの先、息子が高校に通えなくなってまた違う道に進むことになったとしても、この気持ちだけは絶対に忘れてはいけない。「どんな道を選んでも、あなたの人生はあなたのものだよ」――今度こそ、迷わず息子の背中を押せる母親でいたいと思っています。

中学3年生の10月、私はN高の入学枠を確保しました。息子には「万が一のために押さえておくね」とだけ伝えましたが、内心は複雑でした。枠を確保した安心感と、「この枠を使わないで済みますように」という祈り。どちらが息子のためになるのか、正直わかりませんでした。

同じような状況にいるお母さんに伝えたいのですが、通信制の枠を確保することは「全日制を諦める」ことではありません。私も最初はそう感じていたけれど、選択肢を持っておくことで、受験直前に焦らずに済みました。息子も「落ちてもN高があるし」と、変にプレッシャーを感じずに受験に臨めたように思います。

結果的に、息子は全日制高校に合格し、現在は毎日通っています。ただ私の中では、もし全日制で再び不登校になったら、その時はN高に転校しようという選択肢が残っています。

正直に言えば、全日制高校で推薦がもらえるほどの内申点を取るのは難しいと思っています。もしN高に通っていたら、レポート中心の評価で内申点は取りやすかったかもしれない。大学進学を考えると、通信制のほうが有利な面もあるのです。

でも息子が「全日制がいい」と自分で決めた。その意思を尊重したことは間違っていなかったと思います。

N高の説明会に行ってよかったと、今は心から思っています。それは「保険を確保できた」からだけじゃなくて、私自身の考え方が変わるきっかけになったから。全日制が正解で通信制はそうじゃない——そんな思い込みに縛られていた自分に気づけた。どんな道を選んでも、息子が笑って過ごせるならそれでいい。そう思えるようになったのは、あの説明会がきっかけでした。

通信制高校を選ぶ時のチェックポイント

  • 通学コースがあるか:通信制=自宅だけではない。通学型なら友達もできます
  • 教室の生徒数:同じ学校でも教室によって人数は全然違います。見学時に確認を
  • 週何日通えるか選べるか:お子さんの体調や性格に合わせて調整できると安心
  • 大学進学の実績:指定校推薦枠があるかどうかは重要です
  • 体験会に参加する:お子さんの反応を見るのが何より大切。うちのように合わないこともあります

みっこの本音——N高の説明会で見た風景

N高の説明会に行った日のことは覚えています。通学コースの生徒さんが案内してくれて、明るくて礼儀正しくて、「こんな雰囲気なら息子も大丈夫かも」と思えた。結局全日制を選んだけど、もし起立性がもっとひどかったら通信制を選んでいたと思う。どっちの道にも光はある。そう思えたのは、説明会に行ったおかげです。

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この記事のポイント
  • なぜN高を選んだのか
  • N高の説明会で感じたこと
  • 息子を連れて体験会に参加した結果
  • 全日制を選んだ理由と、今思うこと
  • 通信制高校を選ぶ時のチェックポイント
同じ悩みを抱える方に、少しでも届きますように。
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みっこ
この記事を書いた人

シングルマザーとして、不登校・起立性調節障害・ADHDの息子と歩んできました。中3の4月に始めた通信講座(進研ゼミ)をきっかけに、約1年後に高校合格。同じように悩んでいる親御さんに「あなただけじゃないよ」と伝えたくてこのサイトを作りました。

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