中学3年生で不登校。高校受験まであと約1年——。「もう間に合わないんじゃないか」と絶望していた私たち親子が、実際にやったことと、その結果をすべてお話しします。
同じ状況で焦っている親御さんに、少しでも希望を届けられたら嬉しいです。
この記事では、不登校の中3だった息子が半年間で実際に取り組んだ学習計画と受験戦略を、時系列で具体的にお伝えします。
不登校の中学3年生、4月の時点で状況は「絶望的」だった
息子は中1の1学期に起立性調節障害を発症して不登校傾向になり、中1の終わりに私立中学を退学。公立中学校に転校後も不登校が続き、中学3年生の4月時点でこんな状態でした。
- 中1の勉強からほぼストップしている
- 内申点はほぼない(通知表にはハイフン=判定不能と記載。公立だけでなく私立高校も内申点で合否を評価すると知り、このままでは行ける高校がなくなると焦りが限界を超えた。息子が社会からはみ出されたような気持ちになった)
- 起立性調節障害で朝起きられない
- 塾の入塾テストに複数回落ちている(特に英語が壊滅的)
- 学校には週2日ほどしか通えていない
正直、「高校受験なんて無理かもしれない」と何度も思いました。通信制高校の資料も取り寄せていたほどです。
でも息子は「全日制の高校に行きたい」と言いました。前の学校で仲の良かった友達と過ごしたような、普通の高校生活を送りたい——その気持ちが、息子の原動力になりました。
最初にやったこと:「塾以外の方法」を探す
そもそも塾に通わせること自体、シングルマザーの我が家にとっては大きな負担でした。以前は不登校の遅れを取り戻そうと個別塾に通わせていた時期もありましたが、1時間8,000円という費用は家計を圧迫し、貯金がみるみる減っていく恐怖がありました。公立小学校時代は就学援助で給食費が安くなり助かっていたのに、中学以降は交際費や塾代など想像以上の出費が重なり、息子の教育にお金を惜しみたくないという気持ちと現実の間で追い詰められていました。
無理をして集団塾に通わせていた時期もありましたが、月4万円近い塾代は家計を直撃しました。しかも起立性調節障害で生活リズムが乱れ、夕方に眠ってしまう日も多く、実際に通えたのは半分程度。月4万円払って半分しか行けない——お金だけが消えていく焦りと罪悪感で、「このままではどちらも続かない」と限界を感じていました。
まず私がやったのは、塾に頼らない学習方法を探すことでした。
息子は3つの塾の入塾テストに挑戦しましたが、英語の点数が足りずすべて不合格。集団塾に通いたかった息子の居場所がまたひとつ失われた瞬間でした。
▼ 入塾テストに3回落ちた詳しいエピソードはこちらの記事に書いています
独学も試みましたが、本屋で参考書を買っても「何からやればいいかわからない」状態。中1の内容から抜けているので、市販の中3向け教材では歯が立ちません。
そんなとき、ふとオンライン学習について調べてみたんです。すると、高校受験対策ができる通信講座がたくさんあることを知りました。
通信講座を選んだ3つの理由
- 中1の内容からやり直せる:AIが苦手な範囲を自動で検出して、必要なところまで戻って学習できる
- 自分のペースで進められる:起立性調節障害で朝がつらい息子でも、体調のいい時間に取り組める
- 費用が安い:シングルマザーの我が家でも、月数千円なら続けられる
我が家が選んだのは進研ゼミの中学講座(タブレット学習)でした。
約1年間で実践した5つのこと
① 親が「勉強しろ」と言うのをやめた
これが一番大きな変化でした。
以前の私は、息子のスケジュールを管理し、「今日はここまでやりなさい」と毎日言っていました。結果は最悪で、息子は反抗的になり、親子関係は崩壊寸前でした。
通信講座を始めるタイミングで、「もう勉強のことは口出ししない」と決めました。
最初は不安でしたが、口出しをやめたことで息子の反抗期は落ち着き、自分から「今日はここまでやった」と報告してくれるようになりました。
「勉強しろ」と言い続けた結果どうなったかは、こちらの記事で詳しく書いています。
② 通信講座で中1から総復習
進研ゼミのタブレット学習には、AIが苦手分野を自動で分析して、中1の内容まで戻って復習できる機能がありました。
息子は特に英語と数学が壊滅的だったので、まずはこの2教科を重点的にやりました。
- 英語:中1のbe動詞・一般動詞からやり直し。最初は「こんな簡単なところから?」と思いましたが、基礎が抜けていたので結果的に正解でした
- 数学:計算は得意だったので、関数・図形を中心に復習。中1〜中2の範囲を2ヶ月で一通り終わらせました
塾のように「中3の授業についていく」のではなく、「自分の穴を埋める」学習ができたのが、通信講座の最大のメリットでした。
③ 生活リズムは「無理に朝型にしない」
起立性調節障害がある息子に、「朝6時に起きて勉強しろ」というのは無理な話です。
我が家では、息子が一番体調のいい時間帯(午後〜夕方)に勉強するというスタイルにしました。
- 午前中:ゆっくり起きる。体調が良ければ学校に行く
- 午後:タブレットで1〜2時間学習
- 夕方以降:自由時間(料理・ギター・筋トレなど趣味の時間)
「毎日決まった時間に3時間勉強」ではなく、「体調に合わせて、できる日にやる」。このゆるさが、息子には合っていました。
④ 志望校は「今の息子に合うレベル」で選んだ
息子はもともと難関私立中学に通っていたので、地頭は悪くありません。でも2年以上のブランクがあります。
ここで大切にしたのは、「入ってからも続けられる学校を選ぶ」ということ。
前の学校では、レベルについていけず提出物も出せなくなり、結果的に退学しました。同じ失敗を繰り返したくなかったんです。
- 偏差値だけで選ばない
- 校風が自由で、息子に合いそうな学校を探す
- 通学時間が短く、体調面の負担が少ない学校
結果的に、息子の今の実力より少し余裕のある私立高校を選びました。
⑤ 受験直前は過去問を繰り返した
受験2ヶ月前からは、通信講座の受験対策モードに切り替えて、志望校の過去問を繰り返し解くことに集中しました。
通信講座で基礎を固めていたおかげで、過去問でも「全くわからない」ということはなく、「あと少しで解ける」レベルまで追いつけていたのが大きかったです。
結果:不登校から約1年で志望校に合格できた
約1年間の学習の結果、息子は第一志望の私立高校に合格しました。
合格発表の日、息子が「受かった」と静かに言った時の気持ちは、今でも忘れられません。
現在は、自分に合ったレベルの学校で、提出物もきちんと出せるようになりました。起立性調節障害も、病院で睡眠の質を改善する薬をもらいながらコントロールできています。
中学で友達との寂しい別れを経験した息子は友達に飢えていたようで、「高校で一番やりたいことは友達作り」と言っていました。入学初日にクラスメイトに話しかけられたと報告してくれて、1週間後には一緒に帰る友達ができたようです。「思ったより早く友達ってできるんだね」と、照れ臭そうに嬉しい顔を隠すような表情で言っていたのが忘れられません。
驚いたのは生活習慣の変化です。ダラダラと夜更かしするタイプだった息子が、学校に行きたいからと自分から夜早く寝るようになりました。いくら言っても飲まなかった睡眠障害用の薬も、毎日自分から飲み始めたのです。息子が出ていった後に薬のシートから1粒減っているのを見て、息子の成長を噛み締めました。
入学から1ヶ月ほど経った頃、何気なく「学校どう?」と聞いてみました。すると息子は少し照れたように「今までで一番楽しい」と答えたのです。私立中学での辛い経験、公立中学での孤独、不登校の日々——あの長いトンネルを抜けて、やっと自分の居場所を見つけてくれた。毎朝学校に向かう息子の後ろ姿を見ながら、「この子は大丈夫だ」と静かに幸せを噛み締める日々が続いています。
ずっと「高校に入ったらバイトをする」と言い張っていた息子は、実際にアルバイトを始めました。自分で稼いだお金でスポーツジムに通ったり、友達と出かけたり。中学時代に母親の経済的な負担を気にしていた分、自分の力でお金を稼げることが嬉しいようです。高校2年生になったら受験勉強を始めるから1年生のうちは好きにさせてほしい——そう言う息子を、今は信じて見守ることにしています。
息子の中にあった「成功体験」という種火
すっかり勉強意欲をなくした息子は、「自分は全然勉強ができない子だ」と口にするようになっていました。あれだけ賢いと言われていた子が、自信を完全に失っていたのです。
でも、息子の中にはもうひとつの気持ちがありました。「本気でやる気になって集中すれば、良い高校にも大学にも行ける」——中学受験で無我夢中に頑張り、難関校に合格した成功体験が、息子の奥底で種火のように燃え続けていたのです。私からすると失敗に終わった中学受験でしたが、頑張ったことに失敗なんてない。あの経験は息子の中で確かな自信の土台になっていました。人生に無駄なことなんてないんだと、この時初めて気づかされました。
振り返って思うこと
あの時「もう間に合わない」と思っていた約1年間を振り返ると、大切だったのは「完璧を目指さないこと」でした。
- 全教科を完璧にする必要はない
- 毎日決まった時間に勉強する必要はない
- 偏差値の高い学校に行く必要はない
- 親が全部管理する必要はない
「今の子どもに合った方法で、合った学校を目指す」——それだけで十分でした。
不登校の中3のお子さんを持つ親御さんへ。1年あれば、変われます。大丈夫です。
我が家が使った通信講座はこちら
不登校の中学生におすすめの通信講座をこちらの記事で比較しています。追いつくために、まずは資料請求から始めてみてください。
ADHDグレーゾーンの息子が通信講座で集中できた理由
息子はADHD不注意型のグレーゾーンで、「やる気がない」のではなく「集中のスイッチが自分では制御できない」タイプです。塾では授業の途中でぼんやりしてしまい、先生に何度も名前を呼ばれていました。
通信講座に切り替えてからは、深夜に突然スイッチが入って3時間ノンストップで勉強する日が出てきました。逆に昼間は全然ダメな日もありましたが、「集中できる時間に集中できる分だけやる」スタイルが息子にはぴったりだったのです。
実は私は医師家系で育ち、息子にも医師を目指してほしいという期待を長い間持っていました。偏差値の高い高校に入れなければ──そんなプレッシャーを無意識に息子にかけていたと思います。
しかし不登校と向き合う中で、「偏差値ではなく、息子に合った高校を選ぶ」ことの大切さに気づきました。結果として、通信講座で自分のペースで力をつけた息子は、本人が「ここなら通える」と感じた高校に合格しました。医師家系のプレッシャーから親子ともに解放されたことが、むしろ受験成功の鍵だったと感じています。


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