「不登校の中学生に、どうやって勉強させればいいんだろう…」
お子さんが学校に行けなくなったとき、多くの親御さんがまず直面するのが勉強の問題です。授業を受けていないぶん、どんどん遅れていく。でも「勉強しなさい」と言えば親子関係が悪化する。かといって放っておけば将来が不安になる――。
私も不登校の息子を持つシングルマザーとして、まさにこの板挟みに苦しみました。
本人に任せると決めた以上は自己責任。でも全日制高校にいきたいという夢を掴んで欲しい…。私は毎日、息子の将来が不安でたまりませんでした。
この記事では、不登校だった息子の勉強法探しで私が実際に試した5つの方法を、それぞれの結果とあわせて正直にお伝えします。同じように悩んでいる方の参考になれば幸いです。
不登校の中学生が勉強するのが難しい3つの理由
勉強法の話に入る前に、まずなぜ不登校の子にとって勉強がこんなに難しいのかを、息子のケースからお話しさせてください。「うちの子だけじゃないんだ」と少しでも気持ちが楽になれば嬉しいです。
理由①:生活リズムが崩れて集中できない
息子は小学6年生で起立性調節障害を発症し、中学入学後に再発しました。朝起きられず、昼過ぎまで布団の中にいる日が続くと、生活リズムはどんどん狂っていきます。
夕方に目が覚めて深夜までスマホを触り、また朝起きられない――その繰り返しでした。学校の授業がない日常では、「決まった時間に机に向かう」こと自体がとてつもなく高いハードルになっていました。
公立中学校に転校してからも、午前中はほぼ居眠りしていると面談で言われたことがあります。起立性調節障害の診断書を提出していたので怒られることはありませんでしたが、学校でも集中できない状態が続いていました。
理由②:ADHD傾向で自己管理が続かない
息子にはADHDの不注意型に近い傾向がありました。勉強を始めても数分で近くの物をいじり出す。授業のノートは2行書いて白紙。何度言っても財布や鍵をなくす。これをやりたいと思ったらそのことしか頭に入らない――。
一方で、熱中したことには驚くほどの集中力を発揮する子でもありました。不登校の間にTikTokをきっかけに料理にハマり、生地から手作りのピザを焼いたり、コーヒーを豆から挽いたりするほどのめり込んでいたのです。「好きなこと」と「やらないといけないこと」のギャップが激しい子でした。
集中力が続かない特性を考えると、管理してくれる人がいない環境は不安でした。でも他人に管理されるのを嫌がる性格…。矛盾した悩みを抱えていました。
理由③:「勉強しろ」が逆効果になる時期がある
中学1年生で反抗期が始まった息子に、私は「勉強して」「学校に行って」と必死に訴え続けました。でも返ってくるのは、いつも同じ一言でした。
ご飯も部屋で食べるようになり、まともな会話すらなくなっていきました。親が口を出せば出すほど、息子は勉強から遠ざかっていったのです。
同じような経験をされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。勉強させたいのに口出しできない、あのもどかしさは本当に苦しいものです。
勉強法①教科書・市販教材で独学【我が家の結果:△】
まず最初に試みたのが、教科書や市販の問題集を使った独学でした。
本屋に行ったものの、棚にずらりと並んだ参考書を前に「何から始めればいいのか分からない」という状態。中学1年生の1学期からほとんど授業を受けていない息子にとって、どこから手をつけるべきか見当もつきませんでした。
とりあえず基礎的な問題集を何冊か購入してみましたが、自分でスケジュールを立てて毎日取り組む、という自己管理がまったくできませんでした。
これが実際に購入した本です。

1日目は開いてみるものの、しかし2日後には散乱した服の上に放置されている状態。そんな繰り返しです。

- 向く子:自分で計画を立てて取り組める子・基礎学力がある子
- 向かない子:生活リズムが崩れている・自己管理が苦手・集中力に波がある
- 教材そのものより「続ける仕組み」が足りないと挫折しやすい
勉強法②集団塾【我が家の結果:×】
次に検討したのが集団塾です。息子自身が「中学受験の時みたいに、みんなでワイワイやる塾がいい」と言ったことがきっかけでした。
集団塾の入塾テストには不合格でした。塾という居場所まで失った痛みは大きかった(入塾テストに落ちた話)。
勉強法③個別指導塾・家庭教師【我が家の結果:×】
集団塾がダメなら個別指導はどうか――。そう考えた時期もありました。
しかし、息子は知らない大人と1対1で接すること自体を嫌がりました。反抗期の真っ只中で、初対面の先生に心を開けるような状態ではなかったのです。不登校の専門家に相談しようとしたときも、「知らない人に何で自分の話をしなくちゃいけないん?」と一蹴されてしまいました。
家庭教師も同様です。自宅に来てもらっても、きっとまたドタキャンを繰り返して先方に迷惑をかけてしまう。起立性調節障害で夕方寝ていることもあったので、決まった時間に来てもらう形式では現実的に厳しかったのです。
費用の面でも1時間8,000円ほどかかる個別指導は、長く続けるには負担が大きすぎました。大学までのお金を残しておかないといけないと考えると、毎月4万円の出費は不安の種でした。
勉強法④オンライン家庭教師【我が家は検討のみ】
塾がダメ、独学もダメ。残された選択肢はどんどん狭くなっていく。このまま何も見つからなかったら、息子はどうなるんだろう――。そんな焦りの中で目にしたのがオンライン家庭教師でした。
画面越しなら知らない人と対面する負担は減るかもしれない。自宅から受けられるので通う必要もない。メリットは理解できました。
ただ、費用は対面の家庭教師と大きく変わりません。そしてなにより、またキャンセルを繰り返すのが目に見えていました。気分が乗らなければ画面を開かない息子の性格を考えると、高い月謝に見合う効果が得られるか疑問だったのです。
正直なところ、私自身もあまり乗り気ではありませんでした。塾でも家庭教師でも何度も迷惑をかけてきた経験があったので、「またダメかもしれない」という気持ちが先に立ってしまったのだと思います。
結局、我が家では検討だけで終わりました。オンライン家庭教師を選ばなかった理由については、オンライン家庭教師の記事で詳しくまとめています。
画面越しでも「人と約束を守る」負担は消えない。気分が乗らなければ開かない息子の性格と、対面と大きく変わらない費用。この2つで断念しました。お子さんが「約束制」に応えられるタイプかどうかが見極めポイントです。
勉強法⑤通信講座・タブレット学習【我が家の結果:◎】
独学も塾もダメ、家庭教師も現実的ではない。追い詰められた気持ちで情報を探し続けていたとき、目に留まったのが通信講座(タブレット学習)でした。
正直、最初は「通信講座」と聞いて私が中学生だった頃の紙のテキストを想像していました。ところが今の家庭学習はAIを活用した個別最適学習が主流で、タブレット1台で楽しく学べるものに進化していたのです。時代の変化に驚きました。息子にはコレだ!と直感しました。
これが実際に息子が使っていたチャレンジパッドです。

不登校の息子に合っていた3つのポイント
- ①自分のペースで取り組める(体調の波に合わせやすい)
- ②学習専用タブレットで集中できる(通知・誘惑の遮断)
- ③中学1年生の内容からやり直せる(空白期間のリカバリー)
①自分のペースで取り組める
誰かに決められた時間割ではなく、やりたい時にタブレットを開けばいい。朝起きられない息子でも、体調の良い時間帯に自分のペースで進められる点は大きなメリットでした。「自分でやりたい」という気持ちが強い息子の性格にも合っていたと思います。
②学習専用タブレットで集中できる
スマホだとLINEの通知が入るたびに気が逸れてしまう息子。パソコンを別途購入する費用もかかる。その点、学習専用タブレットなら余計なアプリや通知に邪魔されず、勉強だけに集中できる環境が手に入りました。教科書のように「これは勉強用」と区切れる専用の物が、息子には向いていたのです。
③中学1年生の内容からやり直せる
中学1年生の1学期からほぼ授業を受けていなかった息子。通信講座なら学年をさかのぼって基礎からやり直すことができました。特に壊滅的だった英語も、アルファベットの段階から学び直せたのは大きかったです。
通信講座を始めた最初の1週間
教材が届いた初日、息子の反応は拍子抜けするほど軽かった。でもその軽さが良かったのだと後から分かった。
なぜ進研ゼミを選んだのか
家庭学習といっても種類はたくさんあります。調べれば調べるほど出てきて、何を基準に選べばいいかさっぱり分かりませんでした。息子に聞いても「なんでもいい」と言われるだけ。息子はどういうものなら続けられるのだろうかと、ずっと比較していました。
最終的に進研ゼミを選んだ理由は以下の通りです。
- タブレット中心でありながら、重要事項をまとめたテキストも届く
- 月額約8,000円と、大手で内容が充実しているわりにコストが抑えられている
- 息子が幼稚園の頃に取っていた親近感と安心感
Z会は息子に合いませんでした(体験レビューはこちら)。
スタディサプリも候補に挙がりましたが、パソコンを別途購入する費用が痛かったこと、スマホで受講するとLINEの通知で集中が途切れること、映像を観るだけで終わってしまいそうだったことから見送りました。
担任がつくタイプの講座は、分からないことを質問したり干渉されることを嫌がる息子の性格に合わないと判断。費用も高めだったので候補から外しました。
通信講座を続けた結果
学習サービスを始めてから約1年。息子は志望していた全日制高校に合格しました。
偏差値30台の学校でもいいと言って始めた受験勉強でしたが、コツコツ続けるうちに力がついていったのです。中学受験で一度学んだ内容が多かったこともあり、少し復習するだけで記憶が蘇りやすかったようでした。
今は高校1年生。友達もでき、バイトも始め、自分から課題を提出するようになりました。あの頃「どうやって勉強させよう」と途方に暮れていた日々がうそのようです。
不登校の中学生に合う勉強法の選び方【比較表】
ここまでお話しした5つの方法を、不登校の中学生にとって重要なポイントで比較してみます。
| 勉強法 | 費用(月額目安) | 自分のペース | 人との接触 | 学び直し | 我が家の結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 教科書・市販教材 | 数千円 | ◎ | なし | △(自分で選ぶ必要) | △ |
| 集団塾 | 2〜4万円 | × | 多い | ×(カリキュラム固定) | × |
| 個別指導塾・家庭教師 | 3〜5万円 | ○ | 1対1 | ○ | × |
| オンライン家庭教師 | 2〜4万円 | ○ | 画面越し1対1 | ○ | 検討のみ |
| 通信講座(タブレット) | 約8,000円 | ◎ | なし | ◎(学年またぎ対応) | ◎ |
どの方法が合うかはお子さんの性格や状況によって異なります。ただ、不登校の子に共通して大切なのは、次の3つのポイントではないでしょうか。
- 自分のペースで取り組めること:体調や気分の波がある子にとって、決められた時間割は負担になりやすい
- 人との接触が少ないこと:知らない大人や集団の中に入ることがストレスになる場合がある
- 基礎からやり直せること:授業の空白期間が長いほど、「分からない」が積み重なっている
この3つを満たしていたのが、我が家にとっては家庭学習でした。
親が「見守る」と決めたその後【体験談の締め】
自宅学習を始めた中学3年生の時、私は勉強に関して一切口出しをしないと決めました。
正直に言えば、心配で仕方ありませんでした。タブレットを開いている日もあれば、まったく触らない日もある。嫌いな英語はずっと後回し。「このペースで受験に間に合うの?」と何度も口から出そうになりました。
でも私が口うるさく言った結果、親子関係が壊れかけた過去を思い出すと、ぐっと言葉を飲み込むしかなかったのです。
息子のADHD傾向で集中力が続かない特性を考えると、管理してくれる人がいない環境は不安でした。でも他人に管理されるのを嫌がる性格…。この矛盾を解決してくれたのが、AIが学習を管理してくれる通信講座の仕組みだったのかもしれません。私が口を出さなくても、タブレットが「今日はここをやろう」と提案してくれる。それが息子にはちょうどよかったようです。
中学受験を一緒に乗り越えた経験から、どうしても勉強を管理したくなる自分がいました。でも自我が芽生えた息子に、小学生の頃と同じ接し方は通用しなかった。「子どものペースを信じて待つ」――言葉にすれば簡単ですが、これが一番難しい勉強法だったかもしれません。
見守ると決めてから合格までの約1年。振り返れば、あの時「信じて待つ」選択をして本当に良かったと思っています。
不登校のお子さんの勉強法で悩んでいる方へ。お子さんに合った方法は必ずあります。焦らず、お子さんの性格や特性に合わせて、無理のない一歩から始めてみてください。我が家のように、思いもよらないきっかけで道が開けることもあるのですから。
- 不登校の中学生の勉強法は、子どもの性格と生活リズムに合うかが全て
- 我が家は独学△/集団塾×/個別・家庭教師×/オンライン家庭教師(検討のみ)/通信講座◎
- 合う方法の3条件:自分のペースで取り組める・人との接触が少ない・基礎から学び直せる
- 進研ゼミのタブレット学習で、中学3年生からの1年で志望高校合格まで間に合った
- 焦らず一歩ずつ。遠回りも無駄じゃない
みっこの本音——5つ試して4つ失敗した母より
独学、集団塾、個別塾、家庭教師、自宅学習。全部試した結果、息子に合ったのは家庭学習だけでした。最初から正解にたどり着けるお母さんもいるかもしれない。でも私みたいに遠回りしても、最後に合うものが見つかればそれでいいんだと思います。焦ってる自分を、どうか責めないでほしいなぁ。


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