「Z会は難しいイメージがあるけど、不登校の子でもついていける?」
Z会中学生コースはハイレベルな教材として知られていますが、不登校の子にとっては「レベルが高すぎないか」が最大の不安ですよね。
この記事では、Z会の難易度・活用法・向いている子のタイプを、不登校の子を育てた経験から解説します。
Z会を検討した背景|「難しいけど力がつく」という評判
通信講座を比較する中で、Z会は「難易度が高い」「地頭が鍛えられる」という評判が目立ちました。息子は中学受験を経験しており、基礎学力のポテンシャルはあったので、「不登校でもZ会で力をつけられるのでは?」と考えたのが検討のきっかけです。
Z会中学生コースの特徴
1. 圧倒的な問題の質
Z会の最大の強みは「考えさせる問題」の質です。単なる暗記や計算ではなく、「なぜそうなるのか」を理解しないと解けない問題が多い。
特に数学と英語の記述問題は、他の通信講座とは明らかにレベルが違いました。偏差値55以上の高校を目指すなら、この「考える力」を鍛える教材は貴重です。
2. 添削指導が丁寧
Z会の添削は「正解・不正解」だけでなく、思考過程へのフィードバックがもらえます。「ここまでの考え方は合っている。次はこう考えてみよう」という指導は、自宅で一人で学ぶ不登校の子にとって、先生の代わりになります。
3. タブレットコースとテキストコースが選べる
Z会にはタブレットコースとテキストコースがあります。タブレットコースはAIが学習到達度を分析して最適な問題を出題してくれるので、自分のペースで進めやすい設計です。
Z会のデメリット|不登校の子に厳しい現実
1. 基礎が抜けている子には難しすぎる
これが最大の問題です。Z会は「学校の授業を理解している前提」で教材が作られています。不登校で1年以上の空白がある子がいきなり取り組むと、「わからない→やる気がなくなる→挫折」のループに陥りやすい。
息子も体験教材をやってみましたが、中1の空白があった状態では数学が全く歯が立たず、「俺には無理」と投げ出しかけました。
学力が落ちた背景には、起立性調節障害の影響も大きくありました。学校に行き始めてからも、午前中はほぼ居眠りしていると面談で言われていたのです。診断書を提出していたので怒られることはなかったけれど、授業を聞けていないのは事実。塾に通っても気分が乗らないと休み、学校でも午前中は意識が朦朧としている——起きている時間に勉強できる場が、息子にはほとんどなかったのです。Z会の「じっくり考える」問題に向き合う体力すら、当時の息子には残っていませんでした。
2. 自走力が求められる
Z会は基本的に「一人で読んで、考えて、解く」スタイルです。すららのようなコーチもいなければ、スタディサプリのような映像授業のわかりやすさもない。学習習慣が崩れている不登校の子には、ハードルが高いです。
3. 料金が中〜高価格帯
タブレットコースで月額約8,115円〜、テキストコースはさらに高くなります。難易度の高さと合わせて、「お試し」するには覚悟がいる価格です。
Z会が向いている不登校の子のタイプ
向いている子
- 基礎学力はあるが、学校に行けていないだけの子
- 中学受験経験があり、勉強への耐性がある子
- 偏差値55以上の高校を目指している子
- 読んで考えるのが苦にならない子
- 不登校期間が短く、学習の遅れが小さい子
向いていない子
- 学習の空白が1年以上ある子
- 勉強に対するモチベーションが著しく低い子
- 映像やアニメーションで教えてもらいたい子
- 誰かに伴走してもらわないと続かない子
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不登校の子がZ会を使うなら|おすすめの活用法
ステップ1:まず基礎を別教材で固める
いきなりZ会に取り組むのではなく、まずスタディサプリやすららで基礎を埋めることをおすすめします。授業を受けていない範囲の「穴」を塞いでから、Z会の応用問題に挑む流れが現実的です。
ステップ2:得意教科から始める
全教科を一度に始めると挫折しやすいので、得意な1〜2教科だけZ会で受講し、他は進研ゼミやスタディサプリで補う「教材の使い分け」が効果的です。
ステップ3:添削を最大限活用する
Z会の添削は「出して終わり」にしがちですが、返却された添削を復習する時間を取ることで効果が倍増します。不登校で時間に余裕がある子こそ、この復習サイクルを回せます。
我が家がZ会を見送った理由|30分で投げ出した日のこと
我が家は最終的にZ会を見送りました。
正直に書くと、Z会の体験教材を息子に渡した日のことは今でも鮮明に覚えています。
息子は中学受験の時、大手進学塾で上位クラスにいた子です。合格した学校もかなりの難関校でした。「地頭はいいはずだから、Z会くらいやれるだろう」──私はそう信じていました。
でも現実は違いました。
体験教材を開いた息子は、最初の数問こそ鉛筆を動かしていましたが、わずか30分で「無理。難しすぎる」とテキストを閉じてしまったのです。そのまま部屋に戻って、もう二度とその教材に手を触れることはありませんでした。
難関中学の受験を勝ち抜いた子が、たった30分で「無理」と投げ出す──その光景は、息子の学力がどれほど落ちてしまったかを突きつけられた瞬間でした。
中1の基礎からの遅れが大きく、Z会のレベルに到達するまでに時間がかかりすぎると判断したことも理由ですが、それ以上に「また失敗体験を積ませてしまう」ことへの恐怖がありました。
得意だったはずの数学で平均点が取れなくなり、英語に至っては中1からほとんど手をつけていないので壊滅的。それまで「賢い子」と言われていた息子が、「自分は全然勉強ができない子なんだ」と口にするようになっていた時期だったのです。
Z会だけではありませんでした。息子はこの時期、高校受験に向けて集団塾も3つ受けましたが、全て英語で不合格。中学受験の大手塾で上位クラスにいた子が、入塾試験すら通らない。友達から「お前もうちの塾に来いよ」と言われるたびに胸が痛みました。本当は英語で落ちたのに、「うちは受験はのんびりいこうと思っているの」と誤魔化すしかなかったのです。
1つ目の結果を告げたとき、息子は「英語なら仕方ないか……」とがっかりした顔をしていました。それでも集団塾に行きたくて2つ目に挑戦。「次こそ受かった?」と言わんばかりの表情で結果を聞いてきた息子に、不合格を告げるのが本当につらかった。息子は「英語以外だけでも通えないの?」と食い下がりましたが、塾の規定で英語は必須。3つ目の塾では「半年間、併設の個別塾で英語を勉強してから」と言われ、息子は「個別なら諦める……」と落胆しました。塾にまで息子の居場所をなくすのか——そう感じた夜は、Z会の体験教材を30分で投げ出した日と同じくらい、胸が苦しかった。
教育費の現実も重くのしかかっていました。中学受験の3年間と私立中学・塾代を合わせると、4年間で400万円以上。それだけのお金をかけて、息子が幸せになるなら何とも思わなかった。でも結果は退学、不登校。大金をかけて逆に息子を不幸にしてしまった——その絶望感の中で、教育に対して諦めの気持ちが広がっていきました。Z会の体験教材を30分で投げ出した息子を見た夜、「もう教育に期待するのはやめたほうがいいのかもしれない」と本気で思いました。
そんな状態の息子に、Z会の良問を解かせることは──「自信をさらに削る」ことにしかならないと、私は判断しました。
Z会ではなく進研ゼミを選んだ理由
息子にはADHD不注意型のグレーゾーンという特性もありました。集中力が15分と続かず、ノートを開いても2行書いたら手が止まる。近くにあるものを触り始めて、気づけば勉強と全く関係ないことをしている──そんな毎日でした。
Z会の「じっくり考えて解く」スタイルは、この特性と真正面からぶつかります。1問に長い時間をかける集中力が求められるZ会は、息子には合わなかったのです。
最終的に我が家が選んだのは進研ゼミでした。決め手は3つあります。
- タブレット中心でありながら、要点をまとめたテキストもついてくる──タブレットの手軽さと紙の安心感の両方がある
- 月額約8,000円で、大手の中では内容の充実度に対して割安に感じた──シングルマザーの家計には大事なポイントでした
- 基礎の学び直しから対応してくれる──中1範囲に戻って穴を埋められる設計
Z会の教材の「質」は間違いなくトップクラスです。でも、不登校で自信を失い、集中力が続かない子には、「質の高さ」よりも「今の自分でもできる」という手応えのほうがずっと大事だったのです。
ただ、「不登校=勉強ができない」ではありません。起立性調節障害のように体調が原因で通えない子の中には、学力は高いけど出席できないだけ、というケースもあります。そういう子にとって、Z会は「学校に行かなくても高いレベルの学力を維持・向上できる」最強の教材です。
まとめ|Z会は「基礎がある不登校の子」の最高峰
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 問題の質 | ★★★★★ |
| 添削の丁寧さ | ★★★★★ |
| 不登校への適性 | ★★★☆☆ |
| 基礎からの学び直し | ★★☆☆☆ |
| 自走しやすさ | ★★☆☆☆ |
| コスパ | ★★★☆☆ |
Z会は万人向けではありませんが、「不登校だけど勉強はしたい」「上位校を諦めたくない」という子には、これ以上ない教材です。まずは資料請求で体験教材を試してみてください。
ただ、我が家のように「試してみたけど30分で投げ出してしまった」というケースもあることは知っておいてほしいのです。中学受験を乗り越えた子でも、不登校で学力の空白ができた状態では歯が立たないことがある。それは子どもの能力の問題ではなく、教材と今の状態のミスマッチです。
もしお子さんがZ会を試してみて「難しい」と感じたなら、それは悪いことではありません。今の状態に合った教材を選び直すことが、遠回りに見えて一番の近道です。
Z会の難易度とADHDの子の相性──正直に感じたこと
Z会は良問が多く、思考力を鍛えるには素晴らしい教材です。しかし正直に言うと、ADHDの特性がある子にとっては合う・合わないがはっきり分かれる教材でもあると感じています。
息子はADHD不注意型のグレーゾーンで、Z会を試した時期がありました。結果的に以下の点で苦戦しました。
- 1問あたりの分量が多く、途中で集中が切れる──記述問題や応用問題は、集中力が短い子にはハードルが高い
- 「分からない→やりたくない」のループに入りやすい──難易度が高いぶん、つまずいた時の挫折感が大きい
- 自己管理力が求められる──計画どおりに進める力が弱いADHDの子には、スケジュール管理が負担になりやすい
一方で、ADHDの子の中でも特定の教科に過集中できるタイプなら、Z会の深い学びがハマる可能性もあります。息子も得意な理科だけはZ会の問題を楽しそうに解いていました。
医師家系の私は「Z会ができる=優秀」というイメージを持っていましたが、不登校を経験し、教材の難易度と子どもの特性のマッチングこそが大事だと痛感しました。ADHDの子にZ会を検討する場合は、まず得意教科だけで試してみることをおすすめします。


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