「集中が続かない」「忘れ物が多い」「提出物が出せない」——ADHDグレーゾーンの子どもの勉強に、途方に暮れていませんか。
私は40代シングルマザーとして息子を育ててきました。息子が幼稚園の時に離婚して以来、親族がほぼ全員医師という環境の中で、「せめてお金の苦労はさせたくない。学力を息子に残してあげたい」という一心で教育に向き合ってきました。
中学受験を乗り越え、難関私立中学校に合格。しかし入学後、起立性調節障害で不登校になり、さらにADHDのグレーゾーンと診断されました。私立を退学して公立中学校に転校し、高校受験に向けて「この子に合う勉強法」を必死で探す日々が始まりました。
そこで出会ったのが教材。Z会と進研ゼミの2社を実際に試し、すららは友人のお子さんが使っている話を聞いた経験から、ADHDグレーゾーンの子に本当に合う教材を正直にレビューします。
ADHDの子が勉強で困ること
まず、ADHDグレーゾーンの息子が実際に勉強で苦労していたことを整理します。同じ悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。
集中が続かない
教科書を開いても5分で気が散る。窓の外の音、スマホの通知、ペンを回し始める…。塾の90分授業なんて、椅子に座っているだけで精一杯でした。
覚えたことをすぐ忘れる
昨日やった内容が今日にはリセットされている。中学受験の頃、私は毎日暗記カードを手作りし、テスト結果を見て苦手分野をまとめ、間違えた問題だけ集めた専用ノートを作っていました。それでも翌週には忘れてしまう。ワーキングメモリの弱さは、親の努力だけではカバーしきれないのだと痛感しました。
提出物が出せない
宿題をやっても鞄に入れ忘れる。プリントを机の奥にくしゃくしゃにして突っ込む。内申点に直結する提出物が壊滅的だったのは、本当に頭を抱えました。
「これは違う」と感じたら手に取らない
うちの息子はADHD不注意型のグレーゾーンで、「これは違う」と感じたら、もう二度と手に取らない性格でした。知らないもの、新しいもの、未経験のもの、全部が怖くて逃げる。だから教材選びは、最初の一回でどれだけ「やれそう」と感じてもらえるかが勝負だったのです。
塾に居場所がなくなった
高校受験に向けて集団塾を受けさせましたが、3つの塾すべてで英語の成績が足りず不合格になりました。1つ目の結果を聞いた時、息子は「英語なら仕方ないか……」とがっかりしていました。それでも集団塾に行きたかったようで2つ目も張り切って受験。「次こそ合格できた?」と言わんばかりの表情で結果を聞いてきた息子に、不合格を告げるのが本当に辛かったです。
英語力の不足で塾には入れず、自宅で取り組める教材を探すしかありませんでした。
それまで月4万円の塾代を払っていましたが、起立性調節障害で体調が安定せず、月の半分は休んでしまう状態でした。シングルマザーの収入で月4万円を払って半分休まれるのは、正直に言って限界。個別塾に切り替えると1時間8,000円。教育費のために働きづめの日々を送りながら、どこに通わせてもうまくいかない焦りに押しつぶされそうでした。
こうした特性を理解した上で、「この子に合う教材」を探す旅が始まったのです。
Z会 — 実際に試したけれど、30分で挫折した教材
難関大合格実績のハイレベル教材
Z会は問題の質と添削指導の丁寧さで知られ、幼児から大学受験生まで幅広く対応し、東大・京大などの難関大学合格実績もある名門通信講座です。「難しいけど力がつく」という評判に惹かれ、中学受験経験のある息子なら「イケるかも」と期待して体験教材を取り寄せました。
Z会は30分で挫折した日のこと
でも現実は違いました。Z会の体験教材を開いた息子は、わずか30分で「無理。難しすぎる」とテキストを閉じてしまったのです。中学1年生の基礎からの遅れが大きく、記述中心のハイレベル問題に向き合う体力が、当時の息子には残っていませんでした。
「ちゃんとしたお母さん像」がまた一つ崩れた日でもありました。難関中学を乗り越えたはずの子が、中学生向け教材に「ムリ」と言う。その落差に、親として胸が痛かったのを覚えています。詳細はZ会中学生コースの詳細レビューにまとめています。
Z会の良い点・惜しい点
良い点:
- 問題の質がトップクラス・記述の思考力が鍛えられる
- 添削指導が丁寧で思考過程にフィードバック
- 幼児〜大学受験対応・難関大合格実績
惜しい点(ADHDグレーゾーンの子には):
- 1問あたりの分量が多く、集中が切れやすい
- 基礎が抜けている状態ではハードルが高い
- 自己管理・スケジュール管理が必要で、ADHDの子には負担
すらら — 無学年式×キャラクター対話型(友人から聞いた話)
ADHDの子に「仕組みとして」合っている教材
すららは私自身が使ったわけではなく、友人のADHDのお子さんが使っていて、楽しそうに学んでいると聞いた教材です。
すららの最大の特徴は、無学年式の学習システム。学年に関係なく、わからないところまで自由に戻って学べます。友人の話では、不登校期間中に抜け落ちた内容を「小学校の分数」からやり直せたのが大きかったそうです。
もう一つの強みはキャラクターとの対話型授業。先生の一方的な講義ではなく、キャラクターが問いかけてくる形式なので、ADHDの子でも受け身にならずに済むとのこと。
1回の学習時間が15分程度と短いのもポイント。友人のお子さんも「集中が続かないタイプだけど、15分なら取り組める」と話していたそうです。
すららの良い点・惜しい点(友人から聞いた話+公式情報)
良い点:
- 無学年式でどこからでもやり直せる
- 出席扱い制度の対応実績がある(すらら公式発表)
- すららコーチが学習計画を立ててくれる
- 対話形式で飽きにくい
惜しい点:
- 月額がやや高め(約8,000〜10,000円)
- 定期テスト対策は他社の方が充実
- デザインがやや古く感じる
スタディサプリ — 検討したが選ばなかった教材
口コミでは評価が高いが、我が家には合わなかった
スタディサプリ(通称:スタサプ)はプロ講師による質の高い動画授業が1回5〜15分という手軽さで、月額約2,178円という圧倒的なコスパが魅力です。口コミでの評判も良く、候補として検討しました。
しかし、我が家では以下の理由から採用を見送りました。
- 息子用PCの購入費がシングル家庭には痛い:スマホやタブレットでも視聴できますが、本格的に取り組むにはPCが欲しいところ。その初期費用が負担でした
- スマホで使うとLINE通知で気が逸れる:息子はLINEがばんばん来るタイプで、スマホで学習中に通知が来ると集中が途切れてしまう心配がありました
- 教科書のように「勉強専用」の物が息子には向いていた:専用タブレットなら学習以外のアプリがないので、気が散りにくいと感じました
- 映像を「見るだけ」で終わりそう:ADHDで自己管理が難しい息子には、動画を見て自分で学習を進める形式はハードルが高いと判断しました
スタディサプリの良い点・惜しい点(口コミベース)
良い点(口コミで評判):
- 月額約2,178円の圧倒的コスパ
- 動画が短くテンポよく学べる
- プロ講師の授業の質が高い
- 過集中の特性を活かせる可能性
惜しい点:
- 自分で学習計画を管理する必要がある
- 対話やゲーム要素が少なく単調になりやすい
- コーチングは別料金プラン
- スマホ学習だとSNS通知に気を取られやすい
進研ゼミ — タブレット×ゲーム要素で我が家が最終的に選んだ理由
「続けられる仕組み」が一番充実していた
Z会と進研ゼミの2社を実際に試し、すららについては友人の話を聞いた上で、我が家が最終的に選んだのは進研ゼミのタブレット学習(チャレンジパッド)でした。
幼稚園時代の進研ゼミ+公文の馴染みがあった
息子は幼稚園の頃、進研ゼミの「こどもちゃれんじ(しまじろう)」をやっていました。また小学生の頃は公文にも通っていて、進研ゼミだけでなく色々な学習習慣に触れてきた子です。中学生版の進研ゼミにしまじろうは出てきませんが、「進研ゼミなら安心」という感覚が、親子の中に自然にありました。新しい教材を始めるときの心理的なハードルは、わが家にとってはできるだけ低い方がよかったのです。
息子はコーチの伴走が負担になるタイプ
もう一つの決め手は、息子の特性でした。うちの息子はコーチの伴走が負担に感じるタイプ。分からないことを質問したり他人に干渉されることを嫌い、自分のペースで自己完結したい子です。すららのコーチ機能は魅力的でしたが、息子にはタブレット完結型の進研ゼミの方が、自分のペースを守れる——そう判断しました。
進研ゼミの「続けられる仕組み」
- AIが今日やるべき内容を自動提案:「今日は何をしよう」と迷わなくていい
- ポイント制度やアバター機能:ゲーム感覚で「もう1問やろう」と思える
- 定期テスト対策が充実:学校の教科書に完全対応した問題が出る
- 赤ペン先生の添削:提出するとポイントがもらえるので、提出物の練習にもなる
ADHDの息子にとって、15分やって休憩して15分の仕組みが、息子の特性と噛み合ったんだと後から知りました。「自分で考えなくても次にやることが表示される」のは、ADHDグレーゾーンの子にとって非常に大きかったです。
中学受験のときは年間100万円超の塾代を覚悟で払い、私は仕事を辞めて暗記カード作りやテスト分析に明け暮れました。それが高校受験では月数千円の進研ゼミで、息子は志望校に合格。教育にかけるお金と結果は比例しないのだと、身をもって知りました。
進研ゼミの良い点・惜しい点
良い点:
- AIによる学習内容の自動提案
- ゲーム要素でモチベーション維持
- 定期テスト・教科書対応が手厚い
- タブレット完結型で自分のペースを守れる
惜しい点:
- 無学年式ではないので大きく遡れない
- 出席扱い対応はすららに劣る
- ゲーム要素に夢中になりすぎることも
4社比較表(Z会・すらら・スタディサプリ・進研ゼミ)
| 項目 | Z会 | すらら (友人の話) |
スタディサプリ (検討のみ・口コミ) |
進研ゼミ |
|---|---|---|---|---|
| 月額料金 | 約8,115円〜 | 約8,000〜10,000円 | 約2,178円 | 約6,500〜7,500円 |
| 1回の学習時間 | 記述中心(長め) | 約15分 | 約5〜15分 | 約15〜20分 |
| ADHDグレーゾーン向き度 | ★★☆☆☆ | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
| 自己管理の必要度 | 高い | 低い(コーチ付き) | 高い | 低い(AI提案) |
| 無学年式 | × | ○ | ○ | × |
| 出席扱い実績 | △ | ◎(公式発表) | △ | △ |
| ゲーム要素 | × | ○(対話型) | △ | ◎(ポイント・アバター) |
| 定期テスト対策 | △ | △ | ○ | ◎ |
結論として:
- 基礎が固まっていて難関校を狙うなら → Z会
- 出席扱いが最優先、コーチに見守られる方が安心なら → すらら
- コスパ重視で自己管理できるなら → スタディサプリ
- 続けやすさ+大手安心感+自分のペースを守りたいなら → 進研ゼミ
お子さんの特性と家庭の状況に合わせて選ぶのが一番です。
私の場合——「ADHDグレーゾーン」という言葉を初めて聞いた夜、それまでの自分の叱り方を全部思い出して一人で泣きました。集中できないのは怠けじゃなくて特性だった。そう知っただけで、息子への接し方が変わりました。
ADHDグレーゾーンの子の学習で親ができること
最後に、ADHDグレーゾーンの子を持つ親として、私が学んだことをお伝えします。
「勉強しなさい」を手放す
これが一番難しく、一番大切なことでした。不登校中、私は何度も「勉強しなさい」と言いそうになりました。でも息子の表情を見て、ぐっと飲み込んだ日もたくさんあります。
学習サービスを導入してからは、「やりなさい」ではなく「今日もタブレット開いてたね、すごいじゃん」と声をかけるようにしました。たった5分でも、やったこと自体を認める。それだけで、息子の表情は少しずつ変わっていきました。
環境を整えることに集中する
ADHDの子は刺激に弱い。だからこそ、親ができるのは勉強しやすい環境を整えることです。机の上を片付ける、スマホを別の部屋に置く、リビングの端に専用スペースを作る。小さな工夫が、集中時間を5分延ばします。
お金を気にする息子の優しさに気づく
欲しい物を遠慮なくねだってくる一方で、息子は学費や生活費のことを気にしてくれていました。外食先を選ぶ時も「高いとこじゃなくていいよ」と気を遣い、ネットで少しでも安く買おうとする息子。ふとした場面で出てくるセリフに、何度も胸が詰まりました。私が必死で働いている姿を見てきたからこそ、息子なりにお金のことを気にしてくれていたのだと思います。
「完璧」を求めない
医師一家に育った私は、無意識に息子にも高い基準を求めていました。でもADHDの特性を理解してからは、「80点じゃなくて30点でもいい。昨日の0点より30点の方がすごい」と本気で思えるようになりました。
息子は今、高校生になり、ギターや筋トレ、料理に夢中です。「医者になりたいわけじゃなかった」と自分の言葉で語る息子を見て、偏差値が幸せを決めるわけじゃないと心から実感しています。向かい合って食事をしながら一緒にご飯を食べる——その時間こそが、私たち母子にとって一番大切なものです。
みっこの本音——「グレーゾーン」の子を持つ親として
診断がつかない「グレーゾーン」は、支援も受けにくいし理解もされにくい。「普通の子でしょ?」と言われるたびに、「そうじゃないんだけど……」と飲み込む。でも教材を使い始めてから、「この子に合う方法は必ずある」と信じられるようになった。特性を理解することが、最初の一歩だったなぁ。
- ADHDグレーゾーンの子が勉強で困ること(集中力・記憶・提出物)
- Z会は実際に試したけれど30分で挫折(詳細は専用記事へ)
- すららは友人から聞いた話(無学年式×キャラクター対話型)
- スタディサプリは検討のみ(コスパは魅力だが自己管理が必要)
- 進研ゼミを選んだ理由(しまじろう馴染み+コーチ伴走負担回避+タブレット完結)
- 4社比較表で特性別おすすめを整理


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