起立性調節障害でも高校受験を乗り越えた方法|通院と勉強の両立・高校の選び方・受験当日の対策

記事ID:157 起立性でも高校受験を乗り越えた アイキャッチ(caseE版) 高校受験の戦略

「起立性調節障害でも高校受験はできるの?」「通院しながら受験勉強なんて無理じゃない?」

我が家の息子は起立性調節障害と闘いながら、通院と受験勉強を両立して高校に合格しました。

この記事では、通院スケジュールと勉強の両立方法、実際に使った通信講座、そして受験本番までの記録をお伝えします。

  1. はじめに|起立性調節障害×高校受験という「二重の壁」
  2. 通院のリアル|月2回の通院スケジュール
    1. 通院の頻度と内容
    2. 主治医との連携が重要
    3. 「朝弱いだけでしょ?」——周囲に理解されない孤独
    4. 学校でも塾でも「聞けない」焦り
    5. 内申点の壁|「数字がつくだけで嬉しい」という現実
  3. 薬が「効かない」と言われた日々
  4. 薬と勉強の関係|服薬のタイミングが集中力を左右する
    1. 我が家の服薬スケジュール
  5. 受験勉強と体調管理の両立で工夫したこと
    1. 1. 「体調ログ」をつけた
    2. 2. 水分と塩分を意識的に摂った
    3. 3. 運動を取り入れた
    4. 4. 受験校を「体調に合わせて」選んだ
    5. 全日制か、通信制か——N高の枠を確保した理由
  6. 起立性調節障害の子が受験できる高校の種類
    1. 全日制高校(私立)|息子が選んだ道
    2. 通信制高校|セーフティネットとしてのN高
    3. 定時制高校|午後や夜間からの通学が可能
    4. 高校選びで親ができること
  7. 受験直前期の体調管理|12月〜2月にやったこと
  8. 受験当日の対策|万全の準備が安心につながる
    1. 公立中学校の先生との三者面談
  9. よくある質問(FAQ)
    1. Q. 起立性調節障害でも高校受験はできますか?
    2. Q. 内申点がほとんどない場合、どの高校を受験できますか?
    3. Q. 受験当日に朝起きられなかったらどうすればいいですか?
    4. Q. 起立性調節障害の子に向いている勉強法は?
    5. Q. 出席扱い制度は起立性調節障害でも使えますか?
    6. Q. 通院しながら受験勉強は両立できますか?
  10. まとめ|通院と勉強の両立は「仕組み化」で乗り越えられる
    1. みっこの本音——起立性と受験の二重の壁を越えて

はじめに|起立性調節障害×高校受験という「二重の壁」

起立性調節障害を抱えながら高校受験に挑むのは、「体調管理」と「学力向上」の二正面作戦です。どちらか一方でも大変なのに、両方を同時にこなさなければならない。

この「二重の壁」に加えて、もうひとつ見えにくい壁がありました。息子にはADHD不注意型のグレーゾーンの特性があり、起立性調節障害で使える時間が限られているうえに、集中力の維持も難しいという三重苦でした。体調が良い日でも、注意が散って勉強が手につかないことがあり、受験勉強の困難さは想像以上だったのです。

息子は中学3年生の4月から自宅学習で受験勉強を始めました。起立性調節障害の通院を続けながら、家庭学習で1日2〜3時間の勉強。この記事では、通院と勉強をどう両立させたかを具体的にお伝えします。

そしてもうひとつ、私自身が抱えていた苦しさがありました。息子が学校に行けた日は、それだけで世界が明るく見えた。でも翌日「今日は無理」と布団から出てこないと、私も糸が切れたように寝込んでしまう。出席と欠席に、私の心が丸ごと振り回される日々。通院日すら「今日は病院に行けた」と安堵し、翌日行けなければ落ち込む——その一喜一憂が、受験期のストレスをさらに増幅させていました。

中学3年生から約1年で合格するまでの全体像はこちら

通院のリアル|月2回の通院スケジュール

通院の頻度と内容

息子は月2回、小児科の起立性調節障害専門外来に通っていました。

💡 息子の通院メニュー

  • 診察内容:血圧測定、起立試験、問診、薬の調整
  • 所要時間:通院含めて半日(午前中が多い)
  • 処方薬:血圧を上げる薬を服用

通院日は勉強量を減らし、「通院=勉強した日」としてカウントしていました。病院に行くだけでも外出の練習になるからです。

主治医との連携が重要

受験勉強を始める際、主治医に「高校受験を目指したい」と相談しました。先生は「体調を最優先にしながら、本人のペースで」と言ってくれて、受験期のストレスが体調に影響しないかを毎回の診察で確認してくれました。

また、受験当日に体調が悪くなった場合の対策(別室受験の申請、午後入試のある学校の検討)についてもアドバイスをもらいました。

通院と受験の両立で一番追い詰められたのは、息子が3日連続で通院すらできなかった週のことです。起き上がれない息子の部屋の前で、私は何度も声をかけました。「今日は病院だけでいいから」「薬がなくなるから行かないと」。でも返事はなく、ドアの向こうから小さな寝息が聞こえるだけ。受験まであと数ヶ月なのに、病院にすら連れていけない自分が情けなくて、廊下でしゃがみ込んだまま動けなくなりました。

同じように通院と受験を両立させようとしている方に伝えたいのは、「全部完璧にこなせる日なんて来ない」ということです。通院も勉強も体調管理も、全部がうまくいく日は本当に少ない。でも、うまくいかない日があっても、翌日にまたやり直せる。その繰り返しの中で、少しずつ前に進んでいたのだと、振り返って初めて気づきました。

「朝弱いだけでしょ?」——周囲に理解されない孤独

起立性調節障害という病名を伝えても、周囲の反応は冷たいものが多かったです。

ママ友に「うちの子、起立性調節障害で朝起きられないの」と話すと、「うちの子も朝弱いよ〜。中学生ってそんなもんじゃない?」と軽く返されました。病気と朝が弱いのは全然違う。でもそれを説明する気力もありませんでした。

職場でも「お子さん、まだ学校行けてないの?」と聞かれるたびに胸が締め付けられました。「起立性調節障害で……」と説明しても「へぇ…大変ね」で終わる。誰にも本当の辛さは分かってもらえないと感じる日々でした

もし今、同じように周囲に理解されず孤独を感じている方がいたら——分かってもらえなくても、あなたのお子さんへの向き合い方は間違っていません。理解者は少なくても、ゼロではないはずです。私の場合は転校先の公立中学校の担任・吉岡先生(仮名)と主治医が、数少ない理解者でした。

学校でも塾でも「聞けない」焦り

少し学校に通えるようになっても、起立性調節障害の影響で午前中はほぼ居眠りしていると面談で言われました。診断書を出していたので怒られることはありませんでしたが、授業を聞けない時間が積み重なるたびに、私の焦りは募るばかりでした。

大手集団塾に通う友達から「お前もうちの塾来いよ」と誘われているのを聞くのが辛かった。入塾試験に落ちたとは言えず、「うちはのんびり受験するの」と誤魔化していました。小学校時代は成績トップクラスで、周りから一目置かれる存在だった息子。今は平均点も取れない——とても言えませんでした。

内申点の壁|「数字がつくだけで嬉しい」という現実

これが、実際の息子の1学期の通知表です。

不登校だった息子の1学期の通知表。全教科がハイフン(判定不能)
※1学期の通知表。評定欄はほぼ全てハイフン(判定不能)でした

9教科中、評定がついたのはわずか数科目。ほとんどがハイフン——つまり「評価するための材料がない」という意味です。出席日数も提出物もテストもほぼゼロだったのだから、当然でした。

成績が悪いのではなく、判定そのものができない。「この子は学校に存在していないのと同じだ」と突きつけられた気持ちだった。

中学3年生の1学期、担任の先生との面談で「正直なところ、今の内申点だと全日制は厳しい学校が多い」と言われました。分かってはいたけど、先生の口から改めて聞くと頭が真っ白になりました。

これが、遅刻・欠席を繰り返した息子の実際の通知表です。

起立性調節障害で不登校だった息子の実際の通知表
※これが実際の息子の通知表です

9教科中4教科がハイフン(判定不能)。数字がついている科目も1か2がほとんど。周りの子がオール5を目指している中で、うちの息子は「数字がつくだけで嬉しい」というレベルでした。

先生は「でも2学期に提出物を出して、テストを1つでも受ければ数字はつく。数字さえつけば受けられる学校はある」と具体的な道筋を示してくれました。「まずは週に1回、10分だけプリントを取りに来ることから始めよう」と。

📘 不登校児童生徒の出席扱い制度とは

文部科学省の通知に基づく制度。ICT教材(通信講座・オンライン学習)で自宅学習した場合、一定の要件を満たせば学校の出席として認められる

ICT教材の学習記録を学校に提出することで、要件を満たせば自宅学習の日が出席扱いとして認められるケースがあります。学校長の判断で内申書の出席日数として積み上げられる可能性もあります。

申請には担任と学校長の理解が不可欠。前例がなければ文科省の通知(令和元年10月25日付)を持参して相談するのがおすすめです。

その言葉に救われました。「全日制は無理」ではなく「こうすれば可能性がある」と言ってくれる先生がいるだけで、暗闘の中に小さな明かりが見えた気がしたのです。

中学3年生の2学期、息子は提出物を出す努力を始めました。遅刻・欠席は多かったけれど、提出物で評価してくれる先生もいた。起立性調節障害で不登校だった息子が頑張って学校に来るようになった——その姿勢を認めてくれる先生もいたのです

結果、2学期の通知表では全教科に数字が入りました。国語3、数学3、美術3。5段階評価で決して良い成績ではありません。成績表を渡してきた息子の顔は、今でも忘れられません。

「数字が全部埋まったよ〜」

薬が「効かない」と言われた日々

薬で午後の体調が安定するようになる前に、薬を一切飲まなくなった時期がありました。

最初に処方されたのは小学6年生の時の睡眠系の薬。子供用は大人用と違って穏やかな効き目で、飲んですぐに眠くなるわけではありません。数日飲んだ息子は「この薬は効かない」と決めつけて、飲まなくなりました。一度拒絶したものは徹底的に拒否する性格でした。

正直、「本当にこの薬で治るのか」「いつまで通院すればいいのか」と私自身も不信感を抱いた時期がありました。月に1回病院に行っても、先生に伝えるのは「相変わらず朝起きられません」ばかり。何のために通っているんだろう…と。

それでも通院を続けたのは、息子の体調の波を客観的に見てくれる専門家が必要だったから。中学に入ってから血圧を上げる薬を処方されました。先生からは「効果を実感する人が多い薬です」と言われ期待しましたが、残念ながら息子には目に見えた効果は感じられませんでした。それでも通院を続けたことで、体調の変化を専門家に診てもらえる安心感はありました。

薬と勉強の関係|服薬のタイミングが集中力を左右する

息子が服用していた血圧を上げる薬は、服用後30分〜1時間で効果が出る薬です。このタイミングを勉強時間に合わせることで、集中力が格段に変わりました。

我が家の服薬スケジュール

💡 我が家の服薬タイミング(あくまで一例・必ず主治医と相談)

  • 起床時:1錠目を服用(午前中の最低限の活動のため)
  • 13時:2錠目を服用(午後の勉強に合わせて)

13時に服用→14時から勉強開始、というリズムが確立してから、午後の集中力が明らかに改善しました。

ただし、薬の効果や副作用は個人差が大きいです。必ず主治医と相談して、お子さんに合った服薬タイミングを見つけてください

受験勉強と体調管理の両立で工夫したこと

1. 「体調ログ」をつけた

毎日の体調を10点満点で記録しました。

💡 体調10点満点スケジュール分岐

  • 7〜10点:通常の勉強スケジュール
  • 4〜6点:軽めのスケジュール(映像授業1本+復習のみ)
  • 1〜3点:完全休養

このログを通院時に主治医に見せることで、体調の波のパターンが見えてきました。「季節の変わり目に悪化する」「雨の前日に体調が崩れる」など、予測が立つようになり、勉強計画を事前に調整できるようになりました。

2. 水分と塩分を意識的に摂った

主治医から「1日2リットルの水分と、多めの塩分」を指導されました。これは起立性調節障害の基本的な生活指導ですが、受験期は特に意識しました。

勉強中のデスクには常に水筒と塩分タブレットを置き、15分ごとに水分を摂るルールを作りました。地味ですが、これだけで午後の体調が安定しました。

3. 運動を取り入れた

起立性調節障害の改善には適度な運動が効果的です。息子は夕方に15〜20分の散歩を日課にしていました。勉強の気分転換にもなり、夜の睡眠の質も改善しました。

4. 受験校を「体調に合わせて」選んだ

志望校選びでは、学力だけでなく体調面での相性も重視しました。

💡 体調に合う学校選びの3条件

  • 通学時間:自宅から30分以内(長時間の満員電車は体調悪化の原因)
  • 始業時間:遅めの始業や、遅刻に柔軟な学校
  • 不登校経験者の受け入れ実績があるか

この志望校選びは、私にとって大きな方針転換でもありました。親族のほとんどが医師という環境で育った私は、息子にもいつか医学部を目指してほしいと心のどこかで思っていました。でも起立性調節障害とADHDの特性を抱える息子の現実を見て、「医師への道」ではなく「息子に合った高校への道」を選ぶ決心をしたのです。偏差値や将来の職業より、息子が毎日笑って通える場所を優先する。その決断ができた時、私自身も肩の荷が下りた気がしました。今では一緒に食卓を囲みながら、息子の方から学校の話をしてくれる。あの頃には想像もできなかった穏やかな日常です。

少し時計を戻して、進路を決める時期の話に戻ります。

全日制か、通信制か——N高の枠を確保した理由

内申点が壊滅的な息子に、「通信制ならしっかりと入れますよ」と塾の先生に言われたことがありました。現実的にはその通りだったかもしれません。

「普通の高校に行きたい」

「普通の高校」——その言葉に、友達と毎日会いたい、部活をしたい、学校行事を楽しみたい……中学で失った「当たり前の学校生活」を取り戻したいという思いが詰まっていました。

私も本音では全日制に行って欲しかった。でも万が一落ちた時のことを考えると、通信制の枠を確保しておかないと……という不安もありました。

中学3年生の10月にN高の入学面談を受けて、枠を確保しました。「全日制がダメだったらここに行ける」というセーフティネットがあることで、息子も私も「落ちたら終わり」というプレッシャーから解放されたのです。

N高の枠があったからこそ、全日制の受験に集中できた。保険があると分かっているだけで、焦りではなく前向きな気持ちで机に向かえるようになっていきました。

通信制と全日制の選び方はこちら

起立性調節障害の子が受験できる高校の種類

起立性調節障害の子にとって、高校選びは「偏差値」よりも「通い続けられるかどうか」が最優先です。ここでは、実際に検討した高校の種類と、それぞれのメリット・注意点をまとめます。

全日制高校(私立)|息子が選んだ道

息子が最終的に選んだのは、全日制の私立高校でした。全日制を選んだ理由は「友達と毎日会いたい」「部活をしたい」という、中学で失った当たり前の学校生活を取り戻したいという思い。

全日制は毎日通学が前提なので、起立性調節障害の子にはハードルが高い選択肢です。ただし私立高校の中には以下のような特徴を持つ学校もあります。

💡 私立全日制で探したい特徴

  • 内申点より当日の入試得点を重視する学校
  • 遅刻・欠席に柔軟な対応をしてくれる学校
  • 不登校経験者の受け入れ実績がある学校

息子は入試の数学で得点を伸ばし、合格しました。内申点が壊滅的でも、当日点で勝負できる学校を選んだことが功を奏したのです。

通信制高校|セーフティネットとしてのN高

起立性調節障害の子に最も相性が良いのが通信制高校です。登校日数が少なく、体調に合わせて自分のペースで学べるのが最大のメリット。

我が家ではN高を保険として確保しました。通学コースがあり生徒数が多いことが決め手でした。「全日制がダメだったらここに行ける」という安心感は、受験期のプレッシャーを大きく軽減してくれました。

通信制高校を選ぶ際のポイントは以下の通りです。

💡 通信制選びのチェックポイント

  • 通学コースの有無(友人関係を築けるか)
  • スクーリングの頻度(年に数回〜週数回まで学校により異なる)
  • 大学進学実績(進学を視野に入れるなら要確認)
  • サポート体制(カウンセラー常駐、個別対応の有無)

定時制高校|午後や夜間からの通学が可能

定時制高校は午後や夜間に授業が行われるため、朝起きられない起立性調節障害の子にとって現実的な選択肢です。

近年は「昼夜間定時制」といって、午前・午後・夜間の3部制を採用している学校も増えています。体調の良い時間帯に合わせて通学できるため、起立性調節障害との相性は良いと言えます。

ただし、定時制は卒業まで4年かかるケースが多い点と、周囲に同じ境遇の生徒が少ない場合がある点は事前に確認しておきましょう。

高校選びで親ができること

どの高校を選ぶにしても、大切なのは子ども自身が「ここに行きたい」と思えるかどうかです。

息子は通信制を勧めても「普通の高校に行きたい」と言い続けました。親の目線では通信制の方が安全に見えましたが、本人の「学校生活を取り戻したい」という気持ちを尊重した結果、全日制で合格し、今は楽しそうに通っています。

学校説明会は親だけで行くこともできます。我が家もN高の説明会は中学2年生の冬に私1人で行き、体験会は中学2年生の春休みに息子を連れていきました。子どもに見せる前に親が下見をすることで、選択肢を整理してから本人に提示できます。

受験直前期の体調管理|12月〜2月にやったこと

受験直前の3ヶ月は、勉強量を増やしたい時期ですが、体調を崩したら元も子もない。我が家は以下を徹底しました。

⚠ 受験直前3ヶ月の絶対ルール

  • 勉強時間は増やさない(1日3時間が上限)
  • 質を上げる(過去問演習に集中、新しい範囲は追わない)
  • 睡眠時間は絶対に削らない(22時就寝を厳守)
  • インフルエンザ予防接種を早めに受ける
  • 通院を欠かさない(「忙しいから今月は行かない」はNG)

受験当日の対策|万全の準備が安心につながる

💡 受験当日の4つの備え

  • 受験校に起立性調節障害の診断書を事前提出し、体調不良時の別室受験を申請
  • 当日朝はいつもより1時間早く薬を服用(主治医の指示)
  • 会場には水筒・塩分タブレット・ブランケットを持参
  • 「途中退席してもいいよ」と伝えて、プレッシャーを減らす

結果、息子は受験当日に大きく体調を崩すことなく、試験を受けきることができました。

でもそこに至るまでの前夜のことは、きっとずっと覚えているんだろうなぁ。

受験前日の夜、息子は22時に布団に入りました。「おやすみ」と声をかけて部屋を出た後、私は自分の部屋で横になりましたが、まったく眠れませんでした。息子のことではなく、自分自身の不安に押しつぶされそうだったのです。「明日、この子が起きられなかったらどうしよう」。目覚ましを3つセットして、スマホのアラームも念のため設定して、それでも安心できなくて、結局朝まで何度も時計を見ていました。

2時間おきに息子の部屋のドアに耳を当てて、寝息を確認しました。静かすぎると不安になり、少しでも物音がすると「起きてしまったのでは」と心配になる。あの夜の長さは、受験勉強の何ヶ月分よりも長く感じました。

朝6時。アラームが鳴る前に目が覚めた息子が、自分から起きてリビングに出てきた時——私は台所で朝食を作るふりをしながら、声が震えないように「おはよう」と言うのが精一杯でした。あの朝のことを思い出すだけで、今でも目の奥が熱くなります。

公立中学校の先生との三者面談

公立中学校の先生の温かさは、ここまで何度かお伝えした通りです。プリントを取りに来るだけの10分から始まり、保健室で30分過ごせるようになるまで、出席扱い制度の活用、そして高校受験に向けた現実的な道筋を示してもらえたこと——この段階的な支援こそが、息子が中学3年生で立ち上がれた最大の支えでした。

起立性調節障害を抱えながら受験に向かうお子さんを見守っている方へ。「うちの子だけ取り残されている」と感じる日があるかもしれません。友達が塾の話をしているのを横で聞きながら、何も言えずに笑っているお子さんの姿を見て、胸が軋む日もあるかもしれません。私もずっとそうでした。でも、遠回りした分だけ、この子は自分の足で歩く力をつけていた。今になって、そう思えるのです。

よくある質問(FAQ)

Q. 起立性調節障害でも高校受験はできますか?

はい、できます。我が家の息子は起立性調節障害で中学時代に不登校を経験しましたが、全日制の私立高校に合格しました。通信制・定時制を含めれば選択肢はさらに広がります。大切なのは体調に合った学校選びと、無理のない受験勉強の仕組みを作ることです。

Q. 内申点がほとんどない場合、どの高校を受験できますか?

通信制高校は内申点をほぼ問わない学校が多く、最も有力な選択肢です。私立高校の中にも当日の入試得点を重視する学校があり、内申点が低くても合格の可能性があります。まずは担任の先生に「内申点が低くても受験できる学校」を相談してみてください。

Q. 受験当日に朝起きられなかったらどうすればいいですか?

事前に受験校へ起立性調節障害の診断書を提出しておくことが重要です。体調不良時の別室受験や、開始時間の配慮が受けられる場合があります。当日朝は主治医の指示のもと、いつもより早めに薬を服用し、水分と塩分を十分に摂ってください。万が一に備えて午後入試のある学校を併願に入れておくのも有効な対策です。

Q. 起立性調節障害の子に向いている勉強法は?

時間に縛られない通信講座やオンライン教材が向いています。我が家では進研ゼミのタブレット学習を活用し、体調の良い午後の2〜3時間に集中して勉強していました。体調を10点満点で記録する「体調ログ」をつけて、その日のコンディションに合わせてスケジュールを調整するのも効果的です。

Q. 出席扱い制度は起立性調節障害でも使えますか?

はい、使えます。文部科学省の通知により、不登校の児童生徒がICT教材で自宅学習した場合、一定の要件を満たせば出席扱いにできます。友人の家庭は自宅学習ツールの学習記録を担任に提出し、出席扱いにしてもらったそうです。申請には学校長の承認が必要なので、まず担任の先生に相談してみてください。

Q. 通院しながら受験勉強は両立できますか?

両立は可能ですが、「全部完璧にこなそう」とは思わないことが大切です。我が家では通院日は勉強量を減らし、「通院=勉強した日」とカウントしていました。主治医に受験の意志を伝えておけば、通院スケジュールや薬の調整で受験を支えてもらえます。

まとめ|通院と勉強の両立は「仕組み化」で乗り越えられる

起立性調節障害と高校受験の両立は、精神論では乗り越えられません。体調ログ、服薬タイミング、スケジュールの2パターン化など、仕組みで回すことが大切です。

そして何より、通信講座という「時間に縛られない学習法」がなければ、我が家の両立は不可能でした。塾の時間割に体調を合わせるのではなく、体調に学習を合わせる。この発想の転換が、合格への道を開きました。

以前は不登校の遅れを取り戻そうと塾に通わせていた時期もありましたが、月4万円の塾代に対して、起立性で半分は休んでいました。月4万円払って半分しか通えない——お金を捨てているような気分でした。シングルマザーの家計では、貯金がみるみる減っていく恐怖と常に隣り合わせ。学習サービスの月数千円という費用に加え、午後や夜に取り組める柔軟さも、体調が不安定な息子には大きな救いだったのです。

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この記事のポイント
  • 起立性調節障害×高校受験は「体調管理」と「学力向上」の二正面作戦
  • 仕組み化が命:体調ログ・服薬タイミング・スケジュール分岐
  • 通院日は勉強量を減らし「通院=勉強した日」としてカウント
  • 出席扱い制度を使えば自宅学習が内申点になる
  • 全日制・通信制・定時制の3択。N高の枠を確保して保険をかけるのも有効
  • 主治医・担任・通信講座。一人で抱え込まない仕組みで乗り越えられる
焦らず、仕組みで回す。それが大きな武器になります。

みっこの本音——起立性と受験の二重の壁を越えて

起立性調節障害で朝起きられない子が高校受験をする。それがどれだけ大変か、経験した人にしかわからないと思います。薬のタイミング、体調管理、受験当日の段取り——全部手探りでした。でも息子は合格した。あの朝、受験会場に無事たどり着けた時の安堵感は、合格発表より大きかったかもしれないなぁ。

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みっこ
この記事を書いた人

シングルマザーとして、不登校・起立性調節障害・ADHDの息子と歩んできました。中3の4月に始めた通信講座(進研ゼミ)をきっかけに、約1年後に高校合格。同じように悩んでいる親御さんに「あなただけじゃないよ」と伝えたくてこのサイトを作りました。

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