発達障害の子を一人で育てるシンママへ|孤独な療育と仕事で壊れかけた話

コーヒーカップと朝の時間 ADHD・発達障害と向き合う

ADHDグレーゾーンの診断を受けるまでの孤独な戦い

息子の「何かが違う」に気づいたのは、中学に入ってからでした。

忘れ物が異常に多い。授業中に立ち歩く。友達とのトラブルが絶えない。担任の先生からは何度も電話がかかってきました。

でも、当時の私は「しつけの問題だ」「私の育て方が悪いんだ」と思い込んでいました。親族がほぼ全員医師という環境で育った私にとって、「発達障害」という言葉は遠い世界のものだったのです。

最初に小児科に相談した時、先生にこう言われました。

「お母さん、一度専門の機関で検査を受けてみませんか?」

その瞬間、頭の中が真っ白になりました。「うちの子が発達障害? そんなはずはない」——医師家系のプライドが、現実を受け入れることを邪魔していました。

「お母さんが家でちゃんと見てください」と言われる辛さ

診断を受ける前、学校からの呼び出しは日常茶飯事でした。

「○○くん、今日も授業中に集中できなくて……」「お友達を叩いてしまいました」「提出物が全然出ていません」。

そのたびに言われるのは、「お母さんが家でちゃんと見てあげてください」という一言。

シングルマザーでフルタイムで働いている私に、これ以上どう「ちゃんと見る」のか。朝は6時に起きてお弁当を作り、仕事を終えて帰宅するのは19時過ぎ。そこから夕食、宿題、お風呂……。

「ちゃんと見てください」という言葉は、一人で必死に頑張っているシンママの心を、静かに壊していきます

あの頃の私は、毎晩布団の中で泣いていました。「どうしてうちの子だけ」「私がシングルマザーだから、こうなったのか」と。

発達障害の診断は2〜3ヶ月待ち——すぐに診てもらえない現実

いざ専門機関を受診しようと決意しても、すぐには診てもらえません

発達障害の診断ができる医療機関は限られており、初診の予約は2〜3ヶ月待ちが当たり前。地域によっては半年待ちということもあります。

診断までの流れ

・かかりつけ医や学校から紹介状をもらう
・発達障害専門の医療機関に予約(2〜3ヶ月待ち)
・初診で問診・生育歴の聞き取り
・心理検査(WISC-Vなど)を実施
・検査結果をもとに診断
・必要に応じて投薬や療育の提案

この「待っている間」が本当に辛かった。学校からは毎週のように連絡が来る。でも、診断がないから具体的な支援も受けられない。宙ぶらりんの状態が何ヶ月も続くのです。

グレーゾーンだと「障害」認定がなく、支援が受けにくい

息子の診断結果は「ADHDグレーゾーン」でした。

「グレーゾーン」とは、ADHDの傾向はあるが、診断基準を完全には満たさない状態。正式な「障害」認定ではないため、障害者手帳は取得できず、療育手帳ももらえない

これが何を意味するかというと——

放課後等デイサービスの利用が難しい場合がある
特別支援学級への入級が認められにくい
各種手当や助成金の対象外になることが多い
・学校側も「障害ではないので通常学級で」と判断しがち

困っているのに、支援の枠組みに入れない。これがグレーゾーンの最も辛いところです。

「障害じゃないんだから大丈夫でしょう」と言われるたびに、「じゃあこの子の生きづらさは何なの?」と叫びたくなりました。

放課後デイサービス・すららコーチなど「外部の伴走者」の大切さ

一人で全てを抱え込んでいた私が、少しずつ楽になれたのは、「外部の伴走者」を見つけてからでした。

放課後等デイサービス

グレーゾーンでも、医師の意見書があれば受給者証を取得できる場合があります。自治体によって対応が異なるので、まずは市区町村の障害福祉課に相談してみてください。

放課後デイでは、学習支援だけでなく、ソーシャルスキルトレーニング(SST)や感情のコントロール方法も学べます。息子にとって、「学校でも家でもない、第三の居場所」になりました。

通信教材「すらら」のコーチ機能

友人の子(発達障害・不登校)が利用していたのが、通信教材のコーチ機能です。

すららには「すららコーチ」という専任のサポーターがいて、子どもの学習計画を一緒に立ててくれるそうです。友人によると、ADHDの特性を理解した上で、短い時間で集中できるカリキュラムを組んでくれたのが本当に助かったとのこと。

母親でも先生でもない「第三者の伴走者」がいるだけで、子どもの表情は変わると友人も言っていました。母親の心の負担も大きく減るそうです。

医師家系の母が「普通」にこだわって息子を追い詰めた反省

これは、私自身の大きな過ちの話です。

親族がほぼ全員医師。その中で育った私は、「普通であること」「優秀であること」が当たり前だと思っていました。

だから、息子がADHDグレーゾーンだと分かった時も、心のどこかで「でも、頑張ればみんなと同じようにできるはず」と思っていた。小5から仕事を減らし、小6は完全に仕事を辞めて受験に伴走。暗記カード、苦手ノート、間違い問題集……ありとあらゆるサポートをして、難関私立中学に合格させました

でも結果は——起立性調節障害を発症し、不登校になり、最終的に退学

受験期の塾代は年間100万円を超えていました。貯金を切り崩しながら必死で走り続けた日々。それが全て、息子を追い詰めるためのものだったのかもしれない。

「普通」を押し付けることは、発達障害の子にとって最も残酷なことだったと、退学が決まった時にようやく気づきました。

今でもあの時の自分を思い出すと、胸が痛みます。でもこの失敗があったからこそ、息子のペースを尊重することの大切さを学べたのだと思います。

息子は今、公立に転校し、通信講座で学び直し、高校に合格。料理やギター、筋トレに夢中になりながら、「医者じゃなくていい、自分の道を探す」と言ってくれています。

1人で抱え込まないで——相談先リスト

発達障害の子を一人で育てているシンママさん。あなたは十分すぎるほど頑張っています

でも、一人で全てを背負う必要はありません。以下の相談先を、ぜひ活用してください。

公的な相談窓口

・発達障害者支援センター:各都道府県に設置。無料で相談可能。
・児童発達支援センター:18歳未満の子どもの発達相談に対応。
・市区町村の障害福祉課:放課後デイの受給者証申請もここから。
・教育委員会の教育相談:就学・進路の相談ができる。
・よりそいホットライン(0120-279-338):24時間対応。

民間の支援・コミュニティ

・LITALICOジュニア:発達障害の子ども向けの学習支援教室。
・親の会:同じ境遇の保護者と繋がれる。各地域で活動。
・すらら:不登校・発達障害に対応した通信教材。コーチ付き。
・ペアレントトレーニング:子どもへの関わり方を学ぶプログラム。

「助けを求める」ことは、弱さではありません。子どものために最善の環境を作ろうとしている、強さの証です。

私は一人で抱え込んで、心も体も壊れかけました。同じ思いをするシンママさんが一人でも減ることを、心から願っています。

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