「シングルマザーだから、子どもに十分な教育を受けさせてあげられない」
そう思っていませんか? 私もそう思っていました。
息子の誕生日に焼肉に連れていこうとしたら、「ママ大丈夫なの? お金あるの?」と聞かれました。靴屋さんに行けば、欲しい靴には手を伸ばさず半額コーナーばかりウロウロする。「どっちの飲み物がいい?」と聞けば、決まって「安い方」と答える。息子がニキビに悩んでいたとき「病院に行こうよ」と言うと、「いいの? お金かかるよ?」と心配そうに聞いてきました。「医療費補助があるから500円だよ」と教えると、「じゃあ行く!!」とパッと顔が明るくなって。たった500円で安心する息子の姿に、胸が痛みました。——まだ中学生の息子に、そんな気を遣わせている自分が情けなくて、夜、布団の中で声を押し殺して泣きました。
でも今、息子は全日制の高校に楽しく通っています。高額な塾には一度も通わせていません。この記事では、シングルマザーでもできる低コスト学習法をお伝えします。
私の実家は、母方の親族がほぼ全員医師という家系でした。離婚前は「子どもを医者にすれば安泰だ」と当然のように考えていた私。でも不登校を経験して、「高い教育=幸せ」という思い込みがいかに危険だったかに気づかされました。偏差値や職業ではなく、息子が自分らしく笑って暮らせること——それが本当の「幸せ」だったのです。
シングルマザー家庭の教育費の現実
まず現実を見てみましょう。
一般的な教育費
- 中学生の塾代:月2〜5万円(年間30〜80万円)
- 夏期・冬期講習:10〜30万円/回
- 家庭教師:月3〜6万円
- 受験対策の教材費:年間数万円
年間で50〜100万円以上かかることも珍しくありません。
シングルマザー家庭の平均年収
厚生労働省の調査によると、母子世帯の平均年収は約272万円(令和3年度)。この中から教育費に年間50万円以上を捻出するのは、現実的に非常に厳しいです。
私自身、離婚後は必死で仕事をしてきましたが、塾に月3万円を払い続ける余裕はありませんでした。
400万円以上かけた末に見えた「絶望」
正直に書きます。私は息子の教育に、湯水のようにお金を注ぎ込みました。
中学受験のための塾代だけで3年間に300万円以上。合格した私立中学の学費と、さらに通った個別塾の費用を合わせると、たった4年で400万円以上が消えていきました。
それでも、息子が笑っていてくれるなら構わなかった。でも現実は違いました。起立性調節障害で学校に通えなくなり、退学。転校先でも2日で不登校——。
注ぎ込んだ全てのお金が、息子を追い詰める方向にしか使われなかった。あの頃の私は、「教育という名の財産を残してあげたい」と信じて走り続けていました。でもその善意が、息子の心を壊しかけていたのです。
フリースクールも検討したけれど
不登校の息子のために、近所のフリースクールにも問い合わせました。でも電話口で言われた金額は月4万円。シングルマザーの私には、とてもじゃないけど手が出せませんでした。それに、学校に行くことすら拒否している息子が、フリースクールなら通うとも思えなかった。調べる気力も失せてしまったのが正直なところです。
月4万円という金額を聞いた瞬間、頭の中で家計の計算が始まりました。食費を削る? 自分の保険を解約する?——どう考えても無理でした。「お金さえあれば息子に選択肢を渡してあげられるのに」。シンママであることがこんなにも子どもの可能性を狭めるのかと、電話を切った後しばらく動けませんでした。
Xなどで情報を集めて、不登校専門の相談員に連絡したこともありました。しかし「実際に息子さんに会いたい」と言われ、大人2名分の新幹線代と相談料で5万円を超える金額を提示されました。それでも息子が楽になるなら……と思いましたが、息子は「知らない人になんで自分の話をしなきゃいけないの?」と会おうともしませんでした。
息子の出席に振り回された日々
あの頃の私は、息子の登校に完全に感情を支配されていました。息子が学校に行った日はとても気分が良く、休んだ日は寝込むほど気分が落ちる——そんな一喜一憂の生活が続いていたのです。
息子が「行ってきます」と玄関を出た朝は、世界が明るく見えました。洗濯物を干しながら鼻歌が出るほど気持ちが軽くなる。でも翌日「今日は無理」と布団にくるまる息子を見ると、昨日の幸福感は一瞬で消え、まるで地面が崩れるような感覚に襲われました。出席と欠席に心が振り回される日々——自分の感情なのに、自分ではどうにもコントロールできませんでした。
笑いながら通学する学生たちや、家族そろって買い物をしているファミリーを見ると、胸がぎゅっと締め付けられました。息子に退学を迫った学校の制服を着た子を見かけると、動悸と冷や汗が止まらない。心療内科に通い、鬱病の薬と睡眠薬、抗不安薬をもらいながら、なんとか日々をやり過ごしている状態でした。
諦めそうになった夜のこと
忘れられない夜があります。
私が住んでいたのは、専業主婦のお母さんが多い地域でした。参観日にはご夫婦で来ている家庭ばかり。私はいつもひとりぽつんと立っていました。
息子の目には、朝から晩まで働いて余裕のない私が、周りの家庭とはまるで違って見えていたのでしょう。ある日、ぽつりとこう言われました。
「普通のママが良かった」
その夜、息子が寝静まった後、台所の床にしゃがみ込んで泣きました。声を出さないように口を押さえて、ただただ涙が止まりませんでした。
息子が学校から帰る時間に「おかえり」と言ってあげたい。でも仕事を減らせば、息子にお金をかけてあげられない。父親と離れて暮らすことになった罪悪感もずっと胸の奥にありました。「おかえり」と「お金」のどちらかしか選べない——シングルマザーの、出口の見えない葛藤でした。
あの夜、私は本気で思いました。もう教育に期待するのはやめよう、と。
公立中学の三者面談で救われた
転校先の公立中学の先生は、前の学校とはまるで違いました。いきなり三者面談ではなく、まずは週に1回、先生のところにプリントを取りに行くことから始めましょう——と提案してくれたのです。他の生徒に会わない時間帯を配慮してくれたので、息子も「プリントを取りに行くだけなら」と学校に足を運ぶようになりました。
その後、三者面談が実現。保健室の先生も同席してくれました。「家で何してるの?退屈じゃない?」とフランクに聞いてくれて、「学校を休んだ日でも友達と遊んでいいんだよ。少しでも外に出て気晴らしするんだぞ」と。勉強やルールのことばかり言う前の学校の先生とは全く違う、息子の孤独に寄り添ってくれる先生でした。
特に印象的だったのは、先生が息子に「退屈じゃない? 遊びに行っていいんやぞ」と声をかけてくれた場面です。勉強の遅れや出席日数ではなく、息子が孤独じゃないかを一番に心配してくれた。前の学校では怒鳴られ、威嚇され、無理やり言うことを聞かされていた息子にとって、こんなふうに寄り添ってもらえる経験は初めてだったと思います。
面談の帰り道、息子がぽつりと「前の学校と全然話し方が違ったね」と言いました。そこから週1回の保健室登校が始まり、少しずつ学校との信頼関係が築かれていったのです。この先生なら息子を傷つけたりしない——私もようやく安心できた瞬間でした。
私が実際にかけた教育費
結論から言うと、息子の高校受験までにかかった学習費用はこれだけです。
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 進研ゼミ中学講座(約6ヶ月間) | 約35,000〜40,000円 |
| 市販の過去問集 | 約2,000円 |
| 合計 | 約4〜5万円 |
塾に通う場合の10分の1以下です。それで志望校に合格できました。
400万円以上を費やした末にたどり着いた答えが、たった5万円の通信講座だった。皮肉なようですが、息子に本当に必要だったのは「高い教育」ではなく「自分に合った学び方」だったのです。
低コストでも質の高い学習ができる理由
① 通信講座のAI学習が進化している
昔の通信講座は「教材が届いて自分でやる」だけでした。でも今は違います。
- AIが苦手分野を自動分析
- 個別最適な学習プランを作成
- 中1まで戻ってさかのぼり復習
- 間違えた問題の類題を繰り返し出題
月数千円で、家庭教師並みの個別対応が受けられる時代になったんです。
② 「高い=良い」ではない
塾が高いのは、教室の家賃、講師の人件費、営業コストが含まれているから。教育の質と費用は必ずしも比例しません。
通信講座はオンライン完結なので、これらのコストがかからない。だから安く提供できるんです。
③ 不登校の子には通信講座の方が合っている場合が多い
我が家の息子の場合、塾に通えない状況でした。仮に通えたとしても、中3の授業についていけず挫折していた可能性が高い。
通信講座だからこそ、中1の基礎まで戻って、自分のペースで学び直せたんです。
実は息子は、友達と一緒に集団塾に通いたいと自分から言い出したことがあります。中学受験のとき、大勢でワイワイ学んだのが楽しかったようで。そこで友達が通う集団塾を3つ受けましたが、全て英語の成績で不合格になりました。
1つ目に落ちたときは「英語だから仕方ないか……」とがっかりした顔。それでも2つ目の試験に張り切って参加し、「今度は受かった?」と言わんばかりの表情で結果を聞いてきた息子に、不合格を告げるのがとても辛かった。
2つ目の不合格を伝えたとき、息子は「英語以外だけでも通えないの?」と食い下がりました。友達と一緒に学びたいという気持ちが溢れていて、その必死な目を見るのが苦しかった。でも塾の規定で英語は必須科目。進学実績を重視する集団塾では、英語だけ省いて受講することはできなかったのです。「ごめんね、規定で無理なんだって」——その言葉を口にしたとき、息子の表情がすっと曇ったのを今でも忘れられません。
3つ目の塾では「半年間、併設の個別塾で英語を勉強してから」という条件付き。息子は「個別塾に通うくらいなら諦める」と落胆した様子で言いました。塾にまで息子の居場所がないのかと、悲しくなりました。
さらに、息子にはADHD(不注意型)のグレーゾーンの特性があります。注意が散りやすく、長時間の授業は苦手。でも通信講座なら、15分の映像授業を自分のタイミングで視聴できるので、ADHDの特性がある子でも無理なく学習を続けられました。「うちの子は集中できないから無理」と諦める前に、通信講座という選択肢を試してみてほしいです。
活用できる支援制度
シングルマザー家庭が使える教育関連の支援制度もあります。
- 就学援助制度:学用品費、給食費、修学旅行費などを補助
- 高等学校等就学支援金:高校の授業料を実質無償化(所得制限あり)
- 高校生等奨学給付金:教科書代や通学費を支援
- 児童扶養手当:ひとり親家庭への手当
- 自治体独自の支援:学習塾代の助成制度がある自治体も
通信講座の費用と合わせても、実質的な自己負担はかなり抑えられます。お住まいの自治体の制度をぜひ確認してみてください。
「お金がないから教育を諦める」必要はない
シングルマザーとして、「お金がないから子どもに十分な教育を受けさせてあげられない」と何度も自分を責めてきました。
でも振り返ると、息子に一番必要だったのは「高い塾」ではなく、「自分に合った学習方法」でした。
- 月数千円の通信講座で、中1からやり直せた
- 親が「勉強しろ」と言わなくて済むようになった
- 息子は自主的に勉強するようになった
- 志望校に合格できた
お金をかければいいわけじゃない。お子さんに合った方法を見つけることの方がずっと大切です。
ニキビに悩んでいた息子に「皮膚科に行こう」と声をかけたとき、息子は真っ先に「いいの? お金かかるよ?」と心配しました。中学生がスキンケアの前にお金の心配をする——その姿が切なくて仕方なかった。「医療費補助があるから500円だよ」と教えた瞬間、「じゃあ行く!!」と目を輝かせた息子。たった500円で安心してくれる。でもそれは裏を返せば、普段からどれだけお金のことを気にして我慢していたかということ。あの笑顔は嬉しかったけれど、同時に胸の奥がズキッと痛みました。
今、息子は高校でバイトを始め、自分で稼いだお金でジムに通ったり友達と遊びに出かけたりしています。あの頃「安い方でいい」と気を遣っていた子が、自分の力で好きなものを手に入れる姿を見ると、胸が熱くなります。
同じように悩んでいるシングルマザーの方へ。教育を諦めなくて大丈夫です。低コストでも道はあります。


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