息子が起立性調節障害と診断されたのは、小学6年生の受験期でした。中学入学後に再発し、学校に行けない日が続く中で、「診断書を出せば学校が配慮してくれるのでは」と期待して動き始めました。
結論から言うと、診断書を出しても学校によって対応は大きく異なります。息子が通った2つの学校での経験を、時系列でお話しします。
起立性調節障害の診断書はどこでもらえる?|かかりつけの小児科でOK
息子の場合、起立性調節障害を診てもらっていたかかりつけの小児科で診断書を書いてもらえました。特別な検査機関に行く必要はなく、これまでの診療経緯を踏まえてすぐに対応してくれました。
診断書には以下の内容を記載してもらいました。
- 朝起きることが困難で、本人の意思に反して眠りについてしまうこと
- 欠席はやむを得ない身体的事情によるものであること
- 授業中の居眠りは症状によるものであること
費用は数千円程度でした。もし今通っている病院で書いてもらえるか不安な方は、まず電話で相談してみてください。
起立性調節障害がどれほど深刻だったか、一つエピソードをお話しします。ある日、息子を起こしてから着替えを見守っていました。ズボンの片足を通したところで——そのまま崩れるように寝てしまったのです。次にトレーナーを渡すと、足に履こうとして力尽きてまた寝る。起きたくても体が言うことを聞かない。本人の意思ではどうにもならない病気なのだと、あの日改めて思い知らされました。
私立中学校に診断書を出した結果|時期によって対応が変わった
※これは息子が通っていた学校の場合です。すべての私立中学校がこうだとは限りません。
中学1年生の1学期——温かい対応だった
起立性調節障害が再発したのは入学してわずか1週間の時でした。しんどがる息子を半ば抱え込む状態で車で学校に連れていき、保健室のベッドで寝かせてもらいました。
駆けつけてくれた担任の先生は事情を聞いて、「こんなにしんどい時は家で休んでください。1学期に進む勉強なんて後で取り戻せますから安心してください」と声をかけてくれました。この時点では、息子は「起立性で学校に来づらい子」として温かく見守ってもらえていたのです。
中学1年生の2学期——先生の態度が変わった
学校に行ける日が増えるにつれ、先生の目に映る息子の姿が変わっていきました。授業中は寝ているのに、休み時間は友達と元気に遊んでいる。先生からすれば「起立性なんて言い訳では?」と思われても仕方なかったのかもしれません。
息子が怒られるのを防ぎたくて、私は小児科に行って診断書を書いてもらいました。しかし先生は「はいはい……」という雰囲気で受け取り、特に配慮の話や遅刻免除の提案はありませんでした。私自身も、遅刻免除という制度があること自体を当時は知りませんでした。
中学1年生の3学期——最後の切り札も通じなかった
退学を勧められるようになった3学期。どうしても出席しなければならない補講の日に、息子が動けなくなりました。
私は小児科に駆け込み、「心身消耗状態のため通学が困難」という診断書を書いてもらいました。学校に持っていき、封筒から取り出して先生に渡すと、一瞬だけ目を通してこう言いました。
「うちはこういうので特別扱いすることはないんですよ」
ダメか……と力が抜けたのを覚えています。
学校の規定書には「心身の事情でやむを得ない場合は進級を許可する」と記載がありました。でも息子のケースは認められませんでした。過去に起立性でも自宅で課題をこなして好成績を維持した生徒がいて、その子は特例で進級を認められたそうです。「あの子は頑張っていた。息子さんの場合はやる気が感じられない」——それが学校の判断でした。
公立中学校に転校してからの対応|診断書なしでも寄り添ってくれた
退学後、地元の公立中学校に転校しました。最初は起立性の話をしませんでした。息子も通う気があったし、転校の理由を聞かれることもなかったからです。
2学期に学校に行き始めた時、また授業中に寝ていると聞き、先生に起立性調節障害のことを打ち明けました。受験期からカフェインを飲んでやり過ごしてきたことも話しました。
すると先生は「そんなもの飲んで体に悪くないの?」と心配してくれたのです。診断書が必要かと聞いたら、「特にいらないですよ」との回答。息子が午前中寝ていても怒ることなく、「大丈夫か?夜寝れないのか?」と気にかけてくれました。
私立中学校との対応の差に驚きましたが、これはあくまで息子が経験した2つの学校の話です。どの学校でも同じとは限りません。ただ、学校の方針や先生個人の考え方によって、診断書の受け止め方はこれほど違うのだということを知っておいてほしいのです。
起立性調節障害の診断書を学校に出す時のポイント
- かかりつけの小児科で書いてもらえます。専門機関でなくてもOK
- 診断書には「欠席・遅刻が本人の意思によるものではない」旨を明記してもらう
- 遅刻免除・出席扱いの制度があるか、事前に学校に確認してください。私は知らずに損をしました
- 診断書を出しても配慮されない場合がある。その時はスクールカウンセラーや教頭先生に相談するのも手です
- 公立中学校の場合、診断書がなくても事情を話せば配慮してくれるケースもあります
今振り返って思うこと
もっと早く遅刻免除や出席扱いの制度を知っていれば、内申点への不安も軽くなっていたかもしれません。制度を知らないまま戦っていた当時の自分に、「まず学校に制度を聞いて」と教えてあげたいです。
起立性調節障害は見た目では分からない病気です。「怠けているのでは」と疑われる苦しさは、本人にも親にも想像以上に重い。診断書はその誤解を解くための大切なツールです。使い方次第で、お子さんの学校生活を少し楽にできるかもしれません。


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