「教育費が足りない…でも子どもの勉強を諦めたくない」
シングルマザーにとって、教育費の捻出は常に大きな課題です。でも実は、知らないだけで使える公的支援制度がたくさんあります。
この記事では、就学援助・高校無償化・奨学金など、シングルマザーが活用できる教育費の支援制度をまとめてご紹介します。
はじめに|「教育費が足りない」は制度で解決できるかもしれない
シングルマザーとして不登校の息子を育てる中で、常に頭にあったのは「お金」でした。塾に通わせるお金はない。でも通信講座すら「余計な出費」に感じる時期がありました。
離婚してからは朝から晩まで働きづめの日々。「シングル家庭だから」という理由で息子に何かを我慢させたくない――その一心で自分を追い詰め続けていました。心も体もボロボロなのに、「母親なんだから頑張らなきゃ」と歯を食いしばるしかなかった。
そんなとき、市役所の窓口で教えてもらった公的支援制度に救われました。知っているかどうかで、使えるお金が年間数十万円単位で変わります。
この記事では、シングルマザーが使える教育費の公的支援を網羅的にまとめます。
中学生の間に使える制度
1. 就学援助制度
我が家では、息子が公立の小中学校に通っていた頃にこの制度を使っていました。給食費の負担が軽くなっただけで、家計にどれほど余裕が生まれたか。あの頃の私にとっては、それだけで涙が出るほどありがたいことでした。
息子を私立中学校に通わせていた頃は、年間約100万円もの学費がかかっていました。それに比べて、公立の小中学校時代に受けられた就学援助は本当にありがたかった。私立にはこうした制度がなく、すべてが自腹。同じ「子どもの教育」なのに、こんなにも差があるのかと痛感しました。
対象:生活保護世帯、または準要保護世帯(所得基準は自治体により異なる)
就学援助は、学用品費・給食費・修学旅行費・通学費などを自治体が補助する制度です。シングルマザー世帯の多くが対象になります。
- 支給額の目安(年間):学用品費 約25,000円、給食費 約50,000円、修学旅行費 実費(上限あり)
- 申請方法:学校経由または市区町村の教育委員会に直接申請
- 注意点:不登校でも在籍していれば申請可能。給食費は食べていなければ対象外の場合あり
ポイント:学校から案内がないこともあるので、自分から教育委員会に問い合わせるのが確実です。
2. 児童扶養手当
対象:ひとり親世帯(所得制限あり)
教育費専用の制度ではありませんが、月額最大44,140円(2025年度)が支給される、ひとり親の生命線です。
- 全額支給:年収160万円以下(子ども1人の場合)
- 一部支給:年収365万円以下(子ども1人の場合)
この手当の一部を通信講座の月額に充てることで、実質無料に近い形で学習環境を整えられます。
3. 生活福祉資金の教育支援資金
対象:低所得世帯
社会福祉協議会が窓口の無利子の貸付制度です。
- 教育支援費:月額最大6.5万円(高校)
- 就学支度費:最大50万円
返済が必要ですが、無利子で保証人不要(保証人ありなら優遇)。高校進学時のまとまった費用に使えます。
振り返れば、我が家は中学受験の3年間でトータル300万円以上を費やしていました。けれど息子が不登校になったとき、「あの大金は全部無駄だったのか」と崩れ落ちそうになりました。子どもに教育という財産を残したかった。でもその想いが、逆に息子を苦しめていたのかもしれない。だからこそ、返済不要・低負担の公的制度を知っておくことが、親子両方を守る選択肢になるのだと今は強く感じています。
中学受験の3年間に加えて、1年間の私立中学校の学費や塾代を含めると、4年間で400万円以上を教育に費やしていました。それだけの大金を使って、逆に息子を不幸にしてしまった――そう思った瞬間、教育に対して完全に諦めの気持ちが芽生えました。県内でも裕福な家庭が多い地域に住んでいたので、周りの子は当たり前のように塾に通っている。離婚しなければ、息子にももっと良い教育環境を与えてあげられたかもしれない。そんな自責の念と闘いながらも、「公的制度を使えばまだやれることがある」と気づけたことが、私の転機になりました。
高校進学時に使える制度
4. 高等学校等就学支援金(高校無償化)
私立中学校に通わせていた頃は年間約100万円ほどの学費がかかっていました。高校から無償化が使えると知ったときは、真っ暗なトンネルの先にようやく光が見えたような気持ちでした。
対象:年収約910万円以下の世帯
公立高校の授業料が実質無料になる国の制度です。
- 公立高校:授業料相当額(年間118,800円)を支給 → 実質無料
- 私立高校:年収590万円以下なら年間最大396,000円を支給
シングルマザー世帯のほとんどが全額支給の対象になります。手続きは入学後に学校を通じて行います。
ただ、無償化があるとはいえ安心しきることはできません。息子がこの先どんな進路を選ぶのか、まだ誰にも分からない。だからこそ、「いつでも選択肢を渡せるように」と、少しでもお金を蓄えておかなければという緊張感が常にあります。
5. 高校生等奨学給付金
対象:生活保護世帯・非課税世帯
授業料以外の教科書代・教材費・通学費などを補助する制度です。
- 支給額:公立高校の場合、年間約32,300円〜143,700円(世帯状況による)
- 返済不要の給付型
就学支援金と併用可能なので、合わせて使えば高校の費用をかなり抑えられます。
6. 都道府県独自の奨学金・給付金
各都道府県には独自の奨学金制度があります。例えば:
- 東京都:東京都育英資金(無利子貸付、月額最大35,000円)
- 大阪府:大阪府育英会奨学金(無利子、入学時一時金あり)
- 各自治体の独自給付:返済不要の給付型奨学金を設けている自治体も
お住まいの都道府県の教育委員会のHPで確認してください。
フリースクールや専門家相談の費用の壁
公的な制度とは別に、不登校の子どもの居場所としてフリースクールも検討しました。しかし近所のフリースクールに電話をかけたところ、月に4万円かかると言われ、とてもじゃないけど無理だと諦めました。そもそも頑なに学校に行かない息子が、フリースクールに通うとも思えなかったのです。
SNSで情報を集め、不登校の専門家に連絡をしたこともあります。「実際に息子さんに会って話をしたい」と言われましたが、大人2名分の新幹線代と相談料で5万円を超える金額を提示されました。それでも息子が楽になるなら…と思いましたが、息子は「知らない人に何で自分の話をしなくちゃいけないの?」と、会おうともしませんでした。
フリースクールも専門家も、お金がかかるうえに本人の気持ちが伴わなければ意味がない。だからこそ、自宅で自分のペースで取り組める通信講座が、我が家には最も現実的な選択肢でした。
通信制高校を選ぶ場合の費用と支援
不登校のお子さんが通信制高校を選ぶケースも増えています。費用面で知っておくべきこと:
- 公立通信制:年間費用は数万円程度(就学支援金で実質無料)
- 私立通信制:年間30〜80万円(就学支援金で年収590万円以下なら大幅軽減)
- サポート校:通信制高校とは別に費用がかかる(年間20〜60万円)※就学支援金の対象外
申請時の注意点と我が家の失敗談
失敗①:就学援助の申請を1年遅れた
息子が不登校になった年、私は就学援助制度の存在を知りませんでした。翌年に別の保護者から教えてもらい申請しましたが、遡って申請することはできず、1年分を逃しました。
→ 入学時・転校時に必ず教育委員会に確認するのが鉄則です。
失敗②:児童扶養手当の「現況届」を出し忘れた
毎年8月に提出が必要な現況届を1度出し忘れ、2ヶ月間支給が止まりました。再開はできましたが、精神的にきつかった。
→ スマホのカレンダーに毎年リマインドを設定しておくことをおすすめします。
つらい時は相談窓口に頼ってほしい
制度の申請以外にも、自治体には様々な相談窓口があります。私自身、市が開設している発達障害の相談窓口を訪ねたことがあります。担当の方はとても親身に話を聞いてくれて、「お母さん、本当によく頑張っていますね」と言われた瞬間、自分でも驚くほど涙があふれて止まりませんでした。
夫がいれば愚痴をこぼしたり、一緒に悩んだりできたのかもしれない。でもシングルマザーは、たった一人で全てを抱え込んでしまいがちです。あの日、相談員さんの一言に救われた経験があるからこそ言えます。つらい時は、制度だけでなく「人」にも頼ってください。
発達障害のある子が使える支援制度
もしお子さんにADHDなどの発達特性がある場合、追加で利用できる制度もあります。特別児童扶養手当(障害の程度に応じて月額約35,000〜53,000円)や、自治体によっては発達障害児向けの放課後等デイサービス(学習支援型)が利用可能です。診断書が必要になるケースが多いですが、グレーゾーンでも医師の意見書で対象になることがあります。我が家は息子がグレーゾーンのため活用しきれませんでしたが、まずは市区町村の障害福祉課に相談してみることをおすすめします。
通信講座の費用を公的支援でカバーする考え方
通信講座の月額費用と公的支援を組み合わせると:
| 通信講座 | 月額 | 児童扶養手当(全額支給)でカバー |
|---|---|---|
| スタディサプリ | 約2,178円 | 手当の約5% |
| 進研ゼミ | 約6,400円 | 手当の約15% |
| すらら | 約8,228円〜 | 手当の約19% |
児童扶養手当の一部を通信講座に充てる形なら、塾に月3〜5万円かけることなく学習環境を整えられます。
お金を気にする息子の姿
息子は幼いころから母親の家計を気にかけており、焼肉や靴、病院代など日常のあらゆる場面で遠慮する姿がありました。公的支援で医療費が500円で済むと知った時のぱっと明るくなった表情は、今でも忘れられません。
▼ 焼肉・靴・ニキビなどお金にまつわるエピソードの詳細はこちらの記事に書いています
|「知っている」だけで年間数十万円の差が出る
公的支援制度は「申請しないともらえない」ものがほとんどです。学校や行政が自動的に教えてくれるとは限りません。
シングルマザーとして教育費に不安を感じているなら、まずは市区町村の福祉課・教育委員会に相談してください。「うちが使える制度はありますか?」と聞くだけで、使える支援が見つかるかもしれません。
先日、息子が「高校に入ったらバイトするから、お小遣いはもういらないよ」と何度も言ってきました。まだ中学生なのに、家計のことを気にかけてくれている。その優しさが嬉しくもあり、同時に胸がぎゅっと締めつけられました。この子に不自由な思いをさせたくない。だからこそ、使える制度はすべて使う。
お金の不安を制度で軽減し、その分を子どもの学習環境に投資する。それが、シングルマザーの教育戦略の第一歩です。


コメント